チプラス首相がIMFからの借金は返済できないとテレビで表明、ギリシャは土壇場で債務再編の新提案をした。が、ユーロ圏の財務相会議はギリシャ政府の反緊縮姿勢は変わらないとして拒否し、昨日IMF支払延滞が決定しギリシャ危機は実質債務不履行(デフォールト)に段階に入った。今迄に何度も財政再建を約束して借金を重ねたのに実行しない嘘を繰り返し、ついにEUやIMFから愛想をつかされた。
西洋文明の源となった誇り高い歴史を作った先祖は、ギリシャ文明の末裔である現代ギリシャ人を恥じているのだろうか。報道される現代ギリシャ市民の顔は紀元前のギリシャ彫刻の端正な顔立ちに比べると、表立って言えないが物乞いのような貧相で全く異なる民族のように見える。3000年の歴史の中で多くの民族との混血の結果であり彼等に責任はないが、最近のニュースを見ると申し訳ないけどそんな印象を受けてしまう。
一体、ギリシャが没落しこんなに堕落したのは誰の責任か、長い歴史を辿ると色々な要因を指摘できるのだろう。古代ギリシャ文明が色々トライした政治システムを学校で教わった。ここでは直近の出来事に焦点を当てて私見を紹介したい。それは、何といってもギリシャ国民の問題である。彼等は間違った判断をし、その付けを払っている。同情はするが、今日の苦難は誰のせいでもない自分の責任だ。自分の生活が良くなりさえすればと、財政をごまかす政府を選び、根拠のない公約をした首相を選んだ。
問題を直視して不人気でも正しい政策を提案する政治家と、問題や政策の真実を伝えるマスコミと、それを受けて正しい政治を選ぶ国民がいなかった。一旦は間違った方向に向かっても軌道修正する力が政治・マスコミ・国民のどこかに残っていれば、もっと違った結果になったはずだ。言い換えるとそれは国の置かれた状況を理解して苦い薬を飲む覚悟であり、国民の胆力が試されるということだ。報道を見るとそういう人の声もあるはずなのだが、民主主義のシステムの中で結果として現れ生かされることがなかった。
ここで議論は飛躍し例によって私の誤解を恐れず大胆な仮説は、このギリシャ発民主主義は我国の「シニア・デモクラシー」と類似しているポピュリズムの様に感じる。端的に言うと目先のこと(年金)がとても重要な老人達が選んだポピュリズム政治だ。巨額の借金をしても年金を払えと主張するのは、将来(子供世代)の返済のことを考えない身勝手な老人達の声が主だと思う。とは言ってもギリシャの老人は他の国に比べるととても若くして引退し年金生活に入っていた。その点ではギリシャは平均年齢は若くとも、我が国の先を走るシニア先進国だ。
堕落したギリシャ国民のポピュリズム政治にEUはうんざりした、誰からも同情する声が聞こえてこないのがギリシャ危機の特徴だ。今後、危機が進行する中でギリシャがEUから離脱しても経済的な影響が最小限に抑えられることが分かって来るだろう。ギリシャの打つ手が経済的脅迫から地政学的脅迫、つまり中ロに接近する等、に変わるかも知れない。米国の心配は寧ろこちらの方だ。チプラスは次の対策として地政学的脅迫を使う可能性は高い。その時ギリシャ国民がどう反応するか、こちらの方が深刻になる悪い予感がする。■
西洋文明の源となった誇り高い歴史を作った先祖は、ギリシャ文明の末裔である現代ギリシャ人を恥じているのだろうか。報道される現代ギリシャ市民の顔は紀元前のギリシャ彫刻の端正な顔立ちに比べると、表立って言えないが物乞いのような貧相で全く異なる民族のように見える。3000年の歴史の中で多くの民族との混血の結果であり彼等に責任はないが、最近のニュースを見ると申し訳ないけどそんな印象を受けてしまう。
一体、ギリシャが没落しこんなに堕落したのは誰の責任か、長い歴史を辿ると色々な要因を指摘できるのだろう。古代ギリシャ文明が色々トライした政治システムを学校で教わった。ここでは直近の出来事に焦点を当てて私見を紹介したい。それは、何といってもギリシャ国民の問題である。彼等は間違った判断をし、その付けを払っている。同情はするが、今日の苦難は誰のせいでもない自分の責任だ。自分の生活が良くなりさえすればと、財政をごまかす政府を選び、根拠のない公約をした首相を選んだ。
問題を直視して不人気でも正しい政策を提案する政治家と、問題や政策の真実を伝えるマスコミと、それを受けて正しい政治を選ぶ国民がいなかった。一旦は間違った方向に向かっても軌道修正する力が政治・マスコミ・国民のどこかに残っていれば、もっと違った結果になったはずだ。言い換えるとそれは国の置かれた状況を理解して苦い薬を飲む覚悟であり、国民の胆力が試されるということだ。報道を見るとそういう人の声もあるはずなのだが、民主主義のシステムの中で結果として現れ生かされることがなかった。
ここで議論は飛躍し例によって私の誤解を恐れず大胆な仮説は、このギリシャ発民主主義は我国の「シニア・デモクラシー」と類似しているポピュリズムの様に感じる。端的に言うと目先のこと(年金)がとても重要な老人達が選んだポピュリズム政治だ。巨額の借金をしても年金を払えと主張するのは、将来(子供世代)の返済のことを考えない身勝手な老人達の声が主だと思う。とは言ってもギリシャの老人は他の国に比べるととても若くして引退し年金生活に入っていた。その点ではギリシャは平均年齢は若くとも、我が国の先を走るシニア先進国だ。
堕落したギリシャ国民のポピュリズム政治にEUはうんざりした、誰からも同情する声が聞こえてこないのがギリシャ危機の特徴だ。今後、危機が進行する中でギリシャがEUから離脱しても経済的な影響が最小限に抑えられることが分かって来るだろう。ギリシャの打つ手が経済的脅迫から地政学的脅迫、つまり中ロに接近する等、に変わるかも知れない。米国の心配は寧ろこちらの方だ。チプラスは次の対策として地政学的脅迫を使う可能性は高い。その時ギリシャ国民がどう反応するか、こちらの方が深刻になる悪い予感がする。■