一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

羽生九段、年度初の負け越し

2022-04-03 13:48:46 | 男性棋士
羽生善治九段は2021年度最終日に高野智史六段(王座戦)に敗れ、14勝24敗(.368)でシーズンを終えた。年度負け越しはもちろん初。勝率も4割を大きく割り込んでしまった。通算1500勝も達成できなかった。
そんな羽生九段は、今年度も順位戦参加を明言した。私は当然のことと受け止めていたので、問題はない。順位戦の参加こそ棋士の本分である。降級したら、また昇級すればいのである。
では2021年度の成績をもう少し詳しく見てみよう。

第34期竜王戦1組4位決定戦 ○○
第34期竜王戦決勝トーナメント ●
第35期竜王戦1組  ○●
第80期A級順位戦 ○●●●●○●●●
第62期王位戦挑戦者決定リーグ ●○
第62期王位戦挑戦者決定戦 ●
第63期王位戦挑戦者決定リーグ ●●
第70期王座戦二次予選 ○●
第47期棋王戦挑戦者決定トーナメント ●
第6期叡王戦九段戦 ●
第7期叡王戦九段戦 ●
第71期王将戦挑戦者決定リーグ ●○○○●○
第93期棋聖戦二次予選 ●
第15回朝日杯オープン戦二次予選 ●
第71回NHK杯 ○○○●
第29期銀河戦本戦 ●
第42回JT杯日本シリーズ ●

以上、14勝24敗。ちょっと信じられない成績である。
「出ると負け」が6回。最終的に負けるにしても、これでは勝ち星が増えない。
以前、NHK杯アーカイブスで羽生五段の対局姿を拝見したが、全体的にギラギラしていて、切れたナイフのようだった。それが51歳の今は、盤を見る視線にも力がなく、迫力が感じられなかった。
このまま今年度もズルズルいってしまうのかという危惧もあるが、2021年度最後の将棋は、年度初の振り飛車(三間飛車)だった。
これが今後の指し方を示唆している気もする。暴論だが、現在相居飛車の定跡は体系化され、変化を知らないものがバカを見る、という世界になっている(重ねて、暴論です)。今年度の羽生九段の不調の一因も、ここにあるのではないだろうか。
ならば羽生九段は相居飛車の世界から距離を置き、振り飛車党に転身する手もあるのではないか。
毎日新聞の朝刊はA級順位戦オンリーだが、夕刊でそれ以外の順位戦を載せている。朝日新聞は朝刊でも、A級以外の注目局を載せることがある。藤井聡太竜王のA級順位戦の戦いも興味津々だが、羽生九段のB級1組の戦いも、大いに興味深い。両紙は今年度、何回羽生九段の将棋を載せるだろうか。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする