一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

降板させた意味が分からない

2022-04-18 15:23:09 | プライベート
10日のプロ野球で、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が完全試合をやったのにはビックリした。1994年の槇原寛己(巨人)以来、通算16人目の快挙だった。
この日は6回終了時点でオリックスバファローズから13者連続三振を取っており、この調子なら完全試合も夢ではない、と思ったら本当に達成してしまったというわけだ。
そして17日である。10日以来の登板となった佐々木投手は、この日も北海道日本ハムファイターズ相手に8回までパーフェクト。いや素晴らしい。
ところがこの日はロッテも点を取っておらず、ロッテの井口資仁監督は、9回に佐々木投手を降板させてしまった。
試合は0-0のまま延長戦に入ったが、この進行なら流れは日本ハムである。日本ハムは佐々木投手が降板してくれて、心底ホッとしたことだろう。延長10回に決勝の1点を取り、そのまま日本ハムが勝った。
私は唖然呆然とした。今回の降板について、井口監督はいろいろ理由を述べたが、私には到底理解できなかった。
投手というものは、先発したら完全試合を狙うし、四球を出したらノーヒットノーランを狙う。ヒットを打たれたら完封を狙うし、点を取られたら完投を目論む(この部分は怪しい)。
そのパーフェクトゲームを続けていて代えられたら、投手なんてやってられない。
今回と同様のケースで、2007年の日本シリーズが思い出される。中日の山井大介投手が8回まで日本ハム打線をパーフェクトに抑えていながら、9回に交替させられたのだ。
当時の落合博満監督はこの件について多くを語らなかったが、私はいまでもこの采配に納得していない。
話を戻し、今回の降板について球団は、佐々木投手も納得づくだったというが、佐々木投手だって「投げたかった」なんて言ったら首脳陣批判になるから、当たり障りのないことしか言わない。どう考えたって投げたかったに決まってるだろう。
もし2試合連続完全試合となったら、空前絶後の奇跡的大記録、国民栄誉賞にも匹敵する大偉業だった。それがみすみす水の泡になったのが残念すぎる。
そして意外だったのは、野球評論家やファンのほとんどが、この降板を支持していたことだ。
しかし9回の1イニングを投げたところで、佐々木投手が肩を壊すこともないだろう。それならファンの期待通り、続投させるのが本当ではないのか。それが商業野球ではないのか。
野球関係者の中には、選手の記録のためにやっているわけではない、という人もいるだろう。
しかし、むかしは個人の記録を達成させるために、見苦しい措置があった。
1982年には、長崎慶一選手(大洋)に首位打者を獲らせるため、田尾安志選手(中日)を5打席連続敬遠させた。この試合は、大洋が勝てばすでに全試合を終えている巨人が優勝となったが、大洋が大敗したため、中日が優勝した。八百長とは言わないが、明らかな無気力試合である。プロ野球界には、米長哲学のカケラもないのである。
また連続試合出場の記録を更新し続けていた衣笠祥雄選手(広島)は、1986年や1987年は明らかに力が落ちていた。なのに古葉竹識監督は、最後まで衣笠選手を使い続けた。
そのほかにも、首位打者が確定した選手をその後使わなくなったケースもある。凡打して打率が下がるのを避けたのである。
これらに比べたら、佐々木投手をあと1回投げさせることに、躊躇することは一切ないと思う。
現代のプロ野球は投手が分業制になり、完投投手は珍しくなってしまった。今後、完全試合もノーヒットノーランも、リレーでの達成が多くなってくるのだろう。
こんな夢のないプロ野球に、魅力は感じない。
コメント (2)
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