あと5ヶ月ほどで70歳の大台に乗る、少しも嬉しくは無いが
来るものは来るので仕方ない
だが、心持ちはといえば「1月1日の朝」のような、真っ白な気持ちなのだ
去年までの、バタバタと落ち着かないのではなく、へんに悟ったような心境
「武蔵は少しも慌てず」に近い心境か? 大人になった気分なのだ
大人と言えば・・・どんな大人になりたい? 昔聞かれたことがあるが
答えることが出来なかった
今は、はっきり言える・・・・中村吉右衛門が演じた「鬼平」のような男
なれないけどなりたい・・・・・部分的にはなれると思う
まずは人情味のあること・・・・人情はある方だと思っている
しかし鬼平と違うのは「情に流されてしまう」のだ
鬼平は流されない、情をあえてすっぱりと切り離す、やるべき事は情を
振り切ってでもやってしまう
次は色気のある酒の飲み方がしたい・・・・う~ん そんな飲み方は相手次第
出来るんじゃないかな? 少しにんまりして目を細め・・・「しかし・・この酒は・・」
なんてポツリと思いを馳せて、遠くに視線を流す
話し上手でなければならないが、話しすぎてはいけない
相手の(勿論女性)話しに耳を傾けて、目は見ないで視線を下に向けて
盃を指で遊ばせながら
「うんうん」とうなづく 「そうだな」「うん・・それはわかる」「ああ・・そうなのか」
なんて合いの手を入れて
だが合わせてばかりだと底を見られるから、たまには「それはわかるけど
こうした方がいいと思うよ」などとアドバイスをしてみる
話してくる相手が楽しいと思う時間を作ってあげなくちゃ・・・私には無理か!
それから鬼平は愛妻家だ・・・これは大いに見習うべし
外でもてる男は、その何倍も妻にエネルギーをそそがなくてはならない
家庭が円満であればこそ、安心して外へ羽ばたくことが出来る
遊びだけで無く、仕事もしかり、仕事を100点満点でやり遂げるの鬼平の
真骨頂なのだ
あと鬼平の魅力は何だろう・・・・そうだ配下からの絶対の信頼がある
密偵おまさなんぞは、鬼平に芯から惚れているから女だてらに(差別用語と言うべからず)
体と命を張って鬼平を助ける
同心など部下も、鬼平がいれば安心して悪党達と渡り合える
そんな風に部下からの信頼を得られる男になりたい
なにより自分に厳しく律して配下の手本とならなければ・・・・だが私は甘い
まだまだ修業が足りない、困難には躊躇せず先頭に立って立ち向かう
そうでなければ鬼平にはなれない・・・できるだろうか
鬼平は素晴らしい! 最高の男だ、
今、私に出来るのは酒を愛でること・・・・酒に酔って夢の中で漂うこと
鬼平だって酔う・・・・千鳥足で歩くこともたまにはあるのだ
酔うときは酔って、心のゴミ滓を洗い流す
そうだ・・・そんときゃ・・・・おれも鬼平さ!