80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

続・山か棒か

2011-06-19 14:32:51 | 新幹線
こんにちは。

921-1の測定枠の形が途中から変わっている問題。
レールの変位を検出する方法が、車輪式から光学式に変わったためではないかとのご指摘を、ととさんから頂きました。

少し調べてみたところ、そのあたりの経緯がわかる記事がありました。
鉄道総研の雑誌「RRR」に寄稿されたものです。
「光学式レール変位検出装置」(竹下邦夫,RRR 2007.11)


要点を抜き出すとこうなります。
●921-1は200km/hでの検測を目指して開発されたが、走行試験の結果、測定車輪の強度上の問題が明らかになったため、160km/hに抑えて(※1)営業車が走行しない夜間に検測を行った。
●山陽新幹線の開業に当たり夜間に線路保守作業を行ため(※2)、昼間に高速で検測が可能となるような光学式装置の開発を1968年から始めた。
●しかし最初の方式では良い結果が得られなかったので、別の方式を1970年から開発し、その成果はドクターイエロー(T2編成)に反映され、博多開業時に210km/hでの昼間時の検測が可能となった。

※1 ととさんのご指摘では160km/hの検測さえ難しかったのでは?とのことですが、記事でも"抑えて"とあるので、実際はそれ以下の速度で検測することが多かったように読めます。
※2 東京~新大阪間開業時点でも(当然、現在も)保線作業は夜間にするものではないかと思いますが、当時は軌道検測と保線のスケジュールをうまく融通する余裕があった(区間や曜日を分けるなど)ということでしょうか。


上記でおわかりのとおり、921-1の測定枠が棒状のものから山型のものに変更されたのは、早ければ光学式の研究が始められた1968年(昭和43年)、遅くともその改良方式が研究され始めた1970年(昭和45年)頃ではないか、ということがわかってきました。

余談ですが、上記のPDFに写っている更新後の921-1の写真は、前回記事でリンクした「保線ウィキ」の山型枠をもつ同車の写真と一緒ですね。


さて、当鉄道のモデルの方はというと下地処理の真っ最中。すき間をパテで埋め、オデコには溶きパテをしみ込ませ、#150の耐水ペーパーでざっと成形したのち、車体全体にサーフェーサーを吹いています。



ところが、困ったことにオデコの木目がなかなか消えてくれません。削り出すときは目安になっていいやと思っていた木目ですが、このまま頑固に消えなかったらどうしよう・・・



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2 コメント

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さすが (とと)
2011-06-20 23:25:03
こんばんは。
よくこんな資料を発見されましたね!さすがです!
そうそう、在来のマヤは油汚れで汚くなりながら測定装置の整備をしていましたがドクターイエローの手伝いで整備をした時は発光機の窓をキレイに拭いたり騒音測定のマイクをふきふきしたりとあっけないものでした。
最後の文章を読む限り・・・現在のように特殊な検測車の存在も将来的には危ういのかもしれませんね・・・
検測車に現役で乗務していた頃に冗談で言っていた事が急に現実味を帯びて感じられます。
特殊な台車を必要としなくなるなんて特殊車輌の興味半減になってしまいそうですが年代からして現在ではテスト的なデータはすでに揃っているんでしょうね^^;

まだ若いのにオデコのシワが深いですね(笑)
まだ少年だった頃、このシワに悩まされたのもペーパーが嫌いになった理由の一つだった事を思い出しました・・・
返信する
Re: さすが (isao)
2011-06-21 07:58:55
ととさん、こんにちは。

竹下氏の寄稿は軌道検測の歴史が端的にわかり、とても参考になりました。

> 特殊な台車を必要としなくなるなんて特殊車輌の興味半減になってしまいそうですが
たしかに。将来はフツーの車両の床下とか台車とかにセンサーやらカメラが仕込まれて、検測員は電送されてくるデータを地上で観測・・・なんてこともあり得ますね。。

リニアになったら測定するレールすらなくなっちゃう・・・と思ったら、リニアの軌道を測定する車両(装置?)もあるそうで・・・(笑)

> このシワに悩まされたのもペーパーが嫌いになった理由の一つだった事を思い出しました・・・
今回ばかりは、アタシもペーパー嫌いになりそう! 何とか脱出は試みますが。。
返信する

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