おはようございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(12月30日)は、私の72回目の誕生日。
私としては珍しく、8時に起床、以後一歩も家を出ず、アルコールも飲まない1日でした。
カミさんとタクロウは、私をフリーにしてくれる最高のプレゼントを与えてくれ、入院中の義母のお見舞いに出かけていました。
フェイスブックで誕生日を非公開にしていたので、一部の人がメッセンジャーやメールでお祝いの言葉を伝えてくれるだけで、私としては気楽でした。
メールは、ペルグリーノ博士と、博士の次女のマリー・ルーさんから賜りました。
毎年の日課として仏壇に向かって「父母恩重経」のお経を唱え、私をこの世に生を授けてくれた両親に感謝を捧げました。
さて、『ジェロントロジー宣言― 「知の再武装」で100歳人生を生き抜く(寺島実郎、NHK出版新書、780円+税) をテキストにした「ジェロントロジ―宣言』から学ぶ」シリーズの5回目です。
この本の第3章の「知の再武装―なぜ必要か、そして何をどう学び直すのか」には、【知の再武装】のために学び直しの必要性 ― 別の言い方をすれば「戦後教育の限界」― として3つのポイントが書かれています。
1.和漢洋の教養が失われていること
2.戦後の日本人が日本近代史を十分に学んできていないこと
3.「メルカトル図法による世界認識」
1.和漢洋の教養が失われていること
多くの場合、知的で教養のある人だと見られている人でも、和や漢についての素養が乏しく、洋についても中途半端な知識レベルに留まっていることが指摘されています。
私は12月に『現代の帝王学』(伊藤肇、プレジデント社)をもう一度読んでみましたが、この本に登場するリーダー格の人たちは、まさに和漢洋の教養を備えた人たちでした。
私はこの年末・年始に『道真 上・下』(高瀬千図、NHK出版)の上・下それぞれ400ページに及ぶ、菅原道真を主人公とした大作を読んでいます。
和漢の教養がないと読み進められない本で、かなりの刺激になっています。
この頃私は「教養」について自分なりに考えています。
そこから生み出した仮の結論は、ある知識(仮に点か線とします)と異質な知識(これにも独自の点か線があります)との間の点と点、あるいは線と線を結びつけることで新たな何かを生み出すことが教養だと思っています。
シュンペーターという経済学者は「イノベーション」を「新結合」と呼びましたが、その「新結合」を借りると、「教養とは、異質な知識の新結合によって創造される」と言えるかもしれません。
2.戦後の日本人が日本近代史を十分に学んできていないこと
寺島氏は、「経済界の重鎮とされる人たちと議論してみても、自ら努力して日本近代史を勉強していると思われる人に出くわすのは稀である」と嘆いています。
日本では高校で日本史を学ぶ人がいても、明治から昭和にかけての歴史に疎い人ばかりです。
そこで、私がお勧めしたいのは、次の4冊の本があります。
『新 歴史の真実』(前野徹、講談社+α文庫)
『忘れたこと忘れさせられたこと』(江藤淳、文春文庫)
『「南京事件」の探究』(北村稔、文春新書)
この3冊は、2015年8月31日付けブログ 戦中・戦後を考える3冊の本 で紹介しています。
こちらは、2019年11月30日付けブログ 勇気+良心+憂国の本:『反日種族主義』で強くお勧めしています。
3.「メルカトル図法による世界認識」
私たちが慣れ親しんでいる世界地図は、下のように太平洋を挟んで右側にアメリカ大陸、左側にユーラシア大陸、さらにはアフリカ大陸が描かれています。
2007年は、それまでのアメリカに代わって中国が日本の貿易相手国の第1位に躍り出て、2017年は次のようになっています。
中国 21.7%
アメリカ 15.1%
アジア圏(中国含む) 52.0%
寺島氏は、アメリカを通じて世界を眺めることを当然視することに対して地球儀で世界を考えることの大切さに気づくことで世界認識の再構築を我々に迫ります。
ここで、南北を反転させて、日本列島を上に位置するように見てみましょう。
日本の下の左のロシア、右の中国から見てみると、日本が太平洋進出にいかに邪魔になっているかが判明します。
近現代の日本史を学び直す意味でも、これからの日本を巡るアジア、世界の情勢を見渡す場合、日本の守らなければならない部分、外交問題の重要テーマとしなければならないところが従来以上に見えてくると思うのですが、このことは、2020年の課題としておきましょう。
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