アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

昨日(10月25日)は、久しぶりに研修のない1日。2つのトピックがありました。

1つは、PHP研究所 文芸出版部 副編集長の若林邦秀さん(『心の雨の日の過ごし方』の編集者)を通じてあるビッグ・ネームの方(著書たくさんの女性、研修講師でもある)からのインタビュー依頼が正式にありました。

11月1日の16:00にその方とPHP研究所の若林さんともう1人の3人がヒューマン・ギルドにお越しになることになりました。
お名前はあえて伏せておきます。

午後は、護国寺に真言宗豊山派教化センター「仏教文化の諸相」公開講座第1回目を聴きに出かけました。

仏像・祈りのかたち
~真言密教と阿弥陀如来~

のタイトルで、講師は、大正大学講師の堀内規之氏。

今後の仏像の観方が楽しみになる講座でした。


さて、『フロイト―視野の暗点』(ルイス・ブレガー著、後藤素規・弘田洋二監訳、大阪精神分析研究会訳、里文出版)をもとにフロイト派から見たアドラーについての、いよいよ第10回目です。

1907年にアドラーが出版した『器官劣等性の研究』に対して、精神分析のグループに批判的な人たちが一部いたにもかかわらず、フロイトは好意的でした。

しかし、この本の出版以降アドラーは、理論面で「攻撃欲動」から「愛情欲求」に発展し、やがては、「男性的抗議」という概念を導入するようになりました。

ちなみに、「男性的抗議」というのは、「女性の立場が特権や力が認められないために、威厳と地位が認められないことに対して、女性が主張しクレームをつけること」で、当時、男性に比べて女性が社会的に劣等な立場に置かれているものと感じ、対等な立場を求めて努力する、とアドラーは論じていました。

この時期フロイトがこだわっていたのは、性本能である「リビドー」でした。アドラーの「男性的抗議」の概念は、ウィーンの学会のメンバーからはフロイトの理論からあまりに離れてしまったという印象を持たれ、徹底的な討論を提案してきました。

フロイトは、表立ってはアドラーに友好的に振る舞いながら、ユング、ジョーンズ、フェレンツィー宛ての私信で、繰り返しアドラーのことを「偏執病的」であり、「神経症的」であり、精神分析にとって危険である、と記していました。

アドラーのフロイト離れは、理論面ばかりではありませんでした。
このことは次回に。



コメント ( 0 ) | Trackback ( )