ヒューマン・ギルドでは、2011年のスローガンを
職場に活力、家庭に愛、自分に勇気
として、アドラー心理学にもとづき
それぞれの分野に効果的な「勇気づけ」を行います。
おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
昨日(1月20日)は、8:30-17:00の間、山口県周南市でトクヤマの管理者(課長クラス)22人を対象にした「カウンセリング・マインド」研修を行ってきました。
この会社の研修は、確か2002年から行っていて、毎年徳山コース、東京コースのそれぞれ開催され、受講者数は、400人に達しようとしています。
昨年からは私の『変革の時代の経営者・管理者のコミュニケーション』(アルテ)がテキストとして使われていて、研修の始めの段階で「この本をすでに読んでいる人?」と尋ねたら、ほぼ全員が手を挙げました。
この真面目さと、研修に対する真摯さがトクヤマの管理者の持ち味です。
研修を終えるとすぐ、徳山駅にタクシーを飛ばし、17:14発の「のぞみ」号に飛び乗りました。
月刊『文藝春秋』を読んで、お弁当も食べ終わった新神戸あたりから、小説『小さな理由』(森 浩美、双葉文庫、619円+税)を手にしました。
森 浩美の本を読むのは、『家族の言い訳』(双葉文庫)、『こちらの事情』(双葉文庫)に続きこれで3冊目です。
『家族の言い訳』については、2009年1月19日のブログ「『家族の言い訳』を読む」で紹介しています。ご参照ください。
森 浩美は泣かせ上手で、ホノボノとした情感溢れる短編を書く放送作家兼作詞家です。
『家族の言い訳』と同じように、電車の中で涙をこらえることができませんでした。
最初の短編、離婚後15年間会えないでいた娘との再開を描いた「いちばん新しい思い出」を読みながら、途中でハンカチを取り出し、「本当のお父さんへ・・・・・」から始まる娘の感謝の手紙の部分では、嗚咽してしまいました。
なんだか少々、境遇が自分と重なる部分があったのです。
16歳の娘が男の子とコンサートに行く許可を求めたことで父親が自分の初恋を連想した「渡り廊下の向こう」の最後の記述では、憎い表現に出合いました。
叶わなかった想いというものは美化される。きっと私の思い出も幾重にもきれいな包装がなされてきたに違いない。
あれから二度と彼女には会えなかった。どこで何を、どんな暮らしをしているのかも不明だ。
あの渡り廊下の向こうに、彼女のしあわせは待っていてくれただろうか。
他に「夜の鯉のぼり」「皿を洗う父」「手のひらが覚えてる」「黒たまご」「玄関先の犬」「桜散らず」の小品も収められています。
強くお勧めの感動小説です。
あなたはこの本を読んで、
どこで泣くか、どの部分でほのぼのとするか?
<お目休めコーナー> 徳山駅付近駅で見た満月