おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
こんな寓話があります。
交差点で赤信号が青に変わったとき、先頭の車がエンジン・トラブルを起こし、どうにも動きません。
先を急ぐ後続の車は、クラクションを鳴らします。それにつられてその後ろの車も、そのまた後ろの車もクラクション。
交差点は、クラクションの音で大騒音となりました。まるで大異変が起きたようになりました。
突然、先頭の車の運転手が車を降りて、後ろの車のところにやって来て、その運転手に向かって言いました。
「私がクラクションを鳴らしていますから、あなたが代わりに私の車の修理をしてくれませんか?」
この話は、ボブ・コンクリンというアメリカの社会教育家の本(何冊かめくってみたのですが、見当たりませんでした)かカセット・テープにある話です。
世の中には、自分が当事者にならないで警告・批評ばかりする人が多いことのたとえです。
私は、東京電力福島第1原子力発電所で使用済み核燃料の一時貯蔵プールの水位を上がるために必死の作業を続ける自衛隊、警察庁/警視庁、東京消防庁、東京電力の人たちの命を顧みない働きぶりをテレビで観ていて、この話を思い出しました。
ところで、株式会社フェイス総研 の代表取締役 小倉広さんの3月17日号付けのメルマガに「自衛隊員の皆さんへの深い感謝の気持ち」と題して、防衛大学校の第1回の卒業式で当時の内閣総理大臣の吉田茂の言葉が掲載されていました。
昭和32年2月 防衛大学第1回卒業式にて
君たちは自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。きっと非難とか叱咤ばかりの一生かもしれない。ご苦労だと思う。
しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか国民が困窮し、国家が混乱に直面している時だけなのだ。
言葉を換えれば、君たちが日陰者である時のほうが国民や日本は幸せなのだ。
どうか、耐えてもらいたい。
内閣総理大臣 吉田茂
私は、日本という国家が難局にある時、クラクションを鳴らすことは避けようと思います。できることならば、代わって修理にあたりたい気持ちもありますが、せめて静かに見守るか、自分にできることをしていこうと思います。
自衛隊、警察庁/警視庁、東京消防庁、東京電力の人たちの活躍を見るにつけ、緊急事態に直面している日本という国家を支える一員でありたいと思います。
◎Yahooの被災地支援のための緊急災害募金
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