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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

3月27日(日)にヒューマン・ギルドでカウンセリング演習を行っているときに、石巻のアベさんから私にメールが入っていました。

私がアベさんの携帯からのメールを編集して巻頭言に書いた文章と、その次にペルグリーノ博士からの「日本でアドラー心理学を学ぶ人たちに」をコピーしてアベさんに送ったことに対するお礼の意味もありました。

一部省略して掲載させていただきます。

岩井俊憲様

ニュースレターの内容を拝見させていただきました。
私の携帯からのメール文をうまくまとめていただきありがとうございます。
みなさんの「勇気づけ」の声が,こちらに響いてくるようです。

さて,私は,3日間程,勤務校の近くの中学校の職員室にいます。
そこの中学校は電気が通じ,パソコンを使えるからです。
パソコンを1台借りて,通信票を作成中です(本来なら3月17日には子供たちに渡していたはずでしたが)。

転勤が決まり,新しい勤務校はA小学校です。
しかし,今回の震災で大きな被害を受けたため,学校をどこでどのように再開するかが決まっていないそうです。
通常ですと,4月1日付けで異動ですが,当分は現任校で勤務のようです。

今,窓の外の校庭では自衛隊の方々が,食事を準備してくれています。
自衛隊の方々がつくってくださる「おにぎり」はとても大きいです。
学校は避難所になっているため,食事は大丈夫です。

スーパーもしだいに,商品が増えてきて,制約が少なくなってきました。
徐々に,物資が回りはじめたようです。

酒は,毎晩飲めるようになりました。

先週あたりは,スーパーに2時間は並ばないとビールを買えませんでしたが(私は,女房にお願いして買ってもらっていました),一昨日帰路,開いている酒屋を見つけ,ビールと日本酒を買えました。
ありがたいです。

私の家は,インターネットは使えませんが,電気と水道は復旧し,風呂に入れています。テレビも見ることができます。
先週までの「ろうそく」での生活が夢のようです。

知人に関する悲惨なニュースは,昨日も今日も毎日のように伝わってきますが,為すすべがありません。ずっと悲しみに浸りきっているわけにもいきません。

もう,流れに身をまかせようと思います。今回のことも何かに通じると思い,日々生活をしていこうと思います。

予定では今日は,カウンセリング演習に参加をしていたはずでしたが…。
 
昨年,今頃は毎週のようにヒューマン・ギルドに通って,先生には,神田川付近の桜にも案内していただきました。

高速バスも,運行が増えてきたようですので,もうすぐ東京へも行ける機会がくると思います。またヒューマン・ギルドでいろいろな研修を受けたいと思います。
その際は,よろしくお願いします。


アベさんは、大好きなお酒が飲めるようになっていたのです。

アベさんのメールを研修を終えて、「クラス会議」の勉強会をしている人たちにお伝えしようとしたら、佐藤さんがみんなのために読んでくれました。

仲間たちは、アベさんが大好きなお酒を飲めるようになったことに対して「よかった、よかった」と喜んでいました。


ただ、そのアベさん、3月11日の被災の時、「被災地のアベさん」 には書きませんでしたが、こんな体験をされていたのです。

3月21日の晩に「聞いてしまって・・・・・現実」と題した携帯メールを送ってくれていましたので、紹介します。

こんばんは。
地震直後のことです。地震後に津波が校庭に押し寄せ、黒い水がどんどん水位を高くし、正門は上部しか見えない。車が何台もぶつかりながら校庭に流されてくる。誰かが正門の近くの家の方に子供がいるかもしれないと言う。

私が窓から頭を出すと「助けて!」と叫ぶ声を聞いてしまった。誰にも頼めない。行くしかないと覚悟を決め、いざ決行。クーラーボックスを浮き輪がわりに少しずつ子供の方へ。途中で救助を求める年配の方が5人。「後で救助します」と声掛けし子供の所へ。

玄関近くで泣いている子供を肩に担ぎ上げ家の2階へ連れて行った。その後で門柱の上の年配者、車中にいた歩くことができない年配者と猫を救助。車上に流れついた木材の上で救助を待つ二人の年配者は、水に入りたくないと言う。

木材ごと引っ張って行こうとしたが一人の力では無理。仲間を連れてきますと告げて校舎に引き返した。同僚に2階へ引きずり上げてもらい、事情を説明し後を託す。保健室まで抱えてもらい服を脱がせ体を拭いてもらう。毛布にくるまる。体のあちこちがつり続け寒くてたまらない。

同僚が懸命に体をさする。苦しくてもがき叫び続ける。隣のベッドに後で救助された年配者が運ばれてきた。体が硬直してべッドに立ったまま横になれない様子。ベッドを空けなければと気付き、ストーブのそばへ。後から救助をした3人の男達とストーブを囲んでいると落ち着いてきた。

担当する学年の子供たちの教室へ。理科の実験用の豆電球が一つ。50人以上の子供たちが床で雑魚寝。三階の教室の窓の外は、停電。ジャンボジェット機のように巨大なヘリコプターが2機。ホバーリングしながら救助か。火事らしき光も見える。

暗闇の中から大勢の人々の叫びやうめき声が響いてくる。薄暗い教室に子供のすすり泣き。裸足の冷たさ。戦場だろうか。余震におののきながら家族のことやいつまで続くのだろうと頭が勝手に考える。現実なのか。


アベさんは、人生最大の危機に直面して、自分の身の安全を省みず、人のために行動したのです。

私は、いざという場面でのアベさんが勇気と判断力と、アドラー心理学で言うところの共同体感覚を発揮されたことに心を打たれています。

◎地震発生以降に公開された大前研一氏の原発事故関連の動画、記事をご紹介します。
私が大震災や福島原発事故の問題についてもっとも信頼を置いている人からの情報です。

 ◆最新動画(youtube)(3月27日収録)
 『福島第一原発 現状と今後とるべき対応策 (大前研一ライブ580)』   
  →http://www.youtube.com/watch?v=5mBlngPiaSY&feature=player_embedded#at=279

 ◆最近動画(youtube)(3月19日収録)
 『地震発生から1週間 福島原発事故の現状と今後』 
 → http://vil.forcast.jp/c/aodrazm4y9aK2kab

 ◆日経BPnet記事 大前研一氏の産業突然死時代の人生論より(3月15日公開)
 『福島第一原発で何が起きているのか-米スリーマイル島原発事故より状況は悪い』
 → http://vil.forcast.jp/c/aodrazm4y9aK2kac

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