おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
2月28日の新聞各紙に東京電力福島第一原子力発電所の事故に関する独立検証委員会(別称:民間事故調)の調査結果が掲載されていました。
それを読むと、当時の菅直人首相の人災がクローズアップされてきます。
たとえば、YOMIURI ONLINE の次のような記述をご覧ください。
報告書によると、同原発が津波で電源を喪失したとの連絡を受けた官邸は昨年3月11日夜、まず電源車四十数台を手配したが、菅前首相は到着状況などを自ら管理し、秘書官が「警察にやらせますから」と述べても、取り合わなかった。
バッテリーが必要と判明した際も、自ら携帯電話で担当者に連絡し、「必要なバッテリーの大きさは? 縦横何メートル?」と問うた。その場に同席した1人はヒアリングで「首相がそんな細かいことを聞くのは、国としてどうなのかとゾッとした」と証言したという。
報告書は、官邸の対応を「専門知識・経験を欠いた少数の政治家が中心となり、場当たり的な対応を続けた」と総括し、特に菅氏の行動について、「政府トップが現場対応に介入することに伴うリスクについては、重い教訓として共有されるべきだ」と結論付けた。
(2012年2月28日05時02分 読売新聞)
私は、鳩山由紀夫元総理を「史上最低の首相」、菅直人前総理を「史上最悪の首相」と評した東北福祉大学客員教授の福岡政行氏の説に大いに賛同します。
いつから日本の宰相のレベルが低くなってしまったかと、思考を重ねると、トップ・リーダーに精神的な師を持たないと、周囲をゾッとさせるような、場当たり的な対応をするのだ、との結論に至ります。
たとえば、佐藤栄作元総理の時までは、中国思想家の安岡正篤師がさまざまな相談に応じていたことが明らかになっていますし、中曽根康弘元総理は、全生庵に参禅しながら、先代住職・平井玄恭師に師事していたことが知られています。
菅直人氏に話を戻すと、「自分は原子力の専門知識がある」と知識をひけらかしながらも、胆識(腹を据えること)においては欠落していて、初動対応に失敗し、被害を大きくしてしまったことが明白です。
一人で四国八十八箇所を巡っているようではダメです。
結論です。
「リーダーたるもの、精神的な師を持ち、胆識でことに処すべし」
というところでしょうか。
(注)「胆識」に関しては、次の記事をご参照のほど。
2009年8月7日 「知識、見識、胆識」
2009年8月8日 「続・知識、見識、胆識」
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