アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(12月3日)もほぼ1日を大阪で過ごしました。

朝食は、シェラトン都ホテル大阪の和食レストランでいただきました。



とても空いていてゆったりできました。

部屋で9:15まで仕事をして、地下鉄谷町線を1駅乗って、天王寺に行ってきました。

西国札所巡りの1つとして以前にも行ったことがありますが、とても大きなお寺です。

近くに日本一高い阿倍野ハルカスも見えました。

11:00には、研修を行う新梅田研修センターに行きました。

私の出番は、14:40~16:40なのですが、時間があったので、講師控え室で仕事をしていました。

ここでは、一般財団法人 地方公務員安全衛生推進協会主催 による77名の消防職員を対象に

メンタルヘルスケア  セルフケア ~ 自分自身への勇気づけ

の研修を行ってきました。

このところ講演・研修で必ずと言っていいほど話題にしている「信頼」について、私の父親との思い出話をしました。
喋ったことの少し膨らませてお伝えします。

有限会社 ヒューマン・ギルド設立2~3年後の1987~8年のころです。

業績が悪く、ヒューマン・ギルドは存亡の危機に瀕していました。

当時もっとも借りやすいと言われた国民金融公庫の融資を3度申し込んで3度とも失敗、信用保証協会の保証を受けようとしても、事業内容が定かでないという理由でこれまた失敗。

個人的な借り入れに頼って何とか会社を動かしていたのですが、もはや限界に達しつつありました。

苦肉の策として私は、栃木県の日光に近い鹿沼市に住む父を頼ることにしました。

事前に用件を伝えることなく杉並木にドライブに誘い出し、どこかのタイミングで父親に資金の融通を申し出ようとしていたのですが、車は日光から折り返し、いつしか鹿沼市内に入っていました。

不審に思った父親は言いました。

「俊憲まさか、ドライブのために来たのじゃないだろう?」

この言葉に誘われて私は思い切って用件を切り出しました。

「会社で資金が必要なんだけれど、貸してもらえないかな? オヤジの預金を会社が取引している銀行の定期に入れて、それをもとに借り入れを起こしたいんだ」

「で、俊憲、いくらぐらいいるんだ?」

私は老いた父親の横顔を眺めて、

「そうだなあ、100万円くらい融通してくれると助かるんだけど」

「わかった。後はオフクロと相談してくれ」

父は事業家でした。ヒューマン・ギルドの株主にもなっていました。
会社の業況を根掘り葉掘り聞いてもおかしくありません。

しかし、一切の詮索をしませんでした。
資金の使途を聞かれることなく、話はそれで終わりました。

数字後、実家に電話して母に

「例の話だけど、オヤジから聞いている?」と尋ねると、意外な答えが返ってきました。

「あっ、あれね。200万円の話ね」

私は、母の言い間違いか、私の聞き間違いか判然としないまま

「そうそう200万円の話」と厚かましい念押しをしました。

かくして200万円が手に入り、その月を何とか乗り切ることができました。

両親とも今はこの世にいません。

事業家だった父が100万円と私が遠慮気味に言ったことを察したのか、母が父から言われたことを水増ししたのか、とうとう謎のままで終わってしまいました。

しかし、両親の根拠を求めない私への信頼は、30年近い歳月が経過した今も、私の心に残っています。

私は、両親の信頼に応えて、いつつぶれてもおかしくなかったヒューマン・ギルドを30年余、存続させることができています。

生きているときの父や母には何もお返しできなかったけれど、あの両親の息子として恥じない生き方や経営をしているつもりです。

有限会社 ヒューマン・ギルドを無借金の会社にして、規模はさておき、この世になくてはならない会社として誇りを持って経営しております。

「信頼のお返しには時差がある。そして、無限の責任を帯びてお返しする覚悟が育つ」という話でした。

<お目休めコーナー> 12月の花(4)


(シェラトン都ホテル大阪の花)

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