おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
研修をしていると管理職クラスの方から次のような質問が多く出ます。
こういう「イエス・バット(はい、でも)」質問に対する私の回答はかなりラディカルです。
《質問》
「勇気づけ」の大切さはわかっています。職場でできるだけ使おうと思っています。
ですけど、私が勇気を持ってプランを出しても、周囲は「現実的でない」「時期尚早」「前例がない」などいろいろな理由を出してつぶしにかかります。
そのたびごとにしゅんとしてしまう自分がいます。
「勇気」「勇気づけ」と言っても、こんな周囲とどう折り合っていけばいいのでしょうか?
《岩井のラディカルな回答》
Jリーグ初代チェアマン、第10代日本サッカー協会(JFA)会長を経て、現在は日本バスケットボール協会会長の川淵三郎氏にこんなエピソードがあります。
サッカーのJリーグ創設を急ぐ川淵氏に対して「時期尚早」「前例がない」と、あなたが直面している人たちと同じ抵抗勢力について、彼はこんなことを言っています。
「時期尚早と言う人間は百年経っても時期尚早と言う。前例がないという人間は二百年経っても前例がないと言う」
あなたが何かを成し遂げようとしたら、それには抵抗はつきものであり、その抵抗を打ち破るのがあなたの強い信念と、それにエネルギーを与える勇気です。
あなたの周囲の人たちは、川淵氏に対して「時期尚早」「前例がない」と言った、無責任な評論家のようなタイプの人たちではないでしょうか?
あなたは、そのような無責任な人たちと同じグループに入っていたいですか?
それとも、川淵氏のように断行力を発揮する人として変革者でいたいですか?
ここで、あなたにこっそりお見せしたい古い本と、そこに書かれた、私の大好きな言葉をご紹介しますね。
私が中学時代から愛用している本です。
高校生だった姉からもらった『高校時代』(旺文社)の付録の『青年におくる言葉』です。
ここにダンテの言葉が乗っています。
その当時から暗記して、事あるごとに反芻しています。
「お前の道を進め。人には勝手なことを言わせておけ」
もしかしたら、周囲の人たちが「現実的でない」「時期尚早」「前例がない」などいろいろな理由を出してつぶしにかかるのは、あなたと、あなたのプランを恐れているからかもしれません。
別な言い方をすると、あなたは「一目置かれている」のですよ。
力任せに推進してしまう方法もありますが、できれば、上司を含めてあなたに賛同する人を一人、2人・・・・と増やしていって、「勝手なことを言う」人たちを少数派にしていけばいいのです。
勇気には粘り強さも忍耐力も時には必要です。
あなたの断行力に期待しています。
<お目休めコーナー> 穂高のなごみ野の花(4)