おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(2月25日)は、またもや2社から重版のご連絡をいただきました。
まずは、(株)日本能率協会マネジメントセンター出版事業本部の久保田 章子さんからの情報
『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』24刷
『マンガでやさしくわかるアドラー心理学2 実践編』7刷
続いて、株式会社かんき出版 常務取締役の山下 津雅子さんからのメール
『アドラー流一瞬で心をひらく聴き方』3刷
とりわけ『アドラー流 一瞬で心をひらく聴き方』は、2月1日初版、2月17日第2版ですからものすごい勢いです。
それぞれの発行部数もかなりの数量です。
その他にもアドラー心理学がますます人気を博す情報が2つほど飛び込んできています。
さて、「アドラー心理学豆知識:協力と競争」の2回目。
2月16日の前回は、『現代アドラー心理学 上』(春秋社)という、絶版になっている本の「協力と競争」で次のように結論づけられていることを書きました。
協力と競争とは興味深い位置にあり、必ずしも相克しない。
すべての進歩には、そして有益な競争の底には、協力が宿っているのである。
その上で私の立場を表明しました。
「確かに愛のタスク、交友のタスクにおいては、『競争的人間関係』は否定すべきでありますが、仕事のタスクにおいては、競争は『進歩』にとって、生産性を高める点で有益な側面があることを私は認める立場です」
アドラーは、競争をあまり重視しない立場で、本の中では協力を強調しています。
彼は、人間の共生に基づく分業こそが、闘いの中で生き抜くために必要な速い足を持たず、強い獣の持つ筋力を使えず、猛獣の牙、鋭敏な聴覚、鋭い視力を持っていない、弱い動物である人間が集団生活を営みながら生存できる条件を作り出したことを書いています(『人間知の心理学』アルテ、P.34~35)。
そして、『人生の意味の心理学 上』(アルテ)では、次のように「協力」に重きを置いた書き方をしているのです。
「価値と成功についての人間のすべての判断は、結局、協力に基づいている。これは、人類の偉大で普遍的な自明の理である。われわれが行動、理想、目標、そして、性格に求めるすべてのことは、それが人間に協力することに役立つかどうかということである」
こうしてみると、協力できる能力の多寡が人間としての成熟度を図る尺度であると言っていいもいいのではないでしょうか?
<お目休めコーナー> 2月の花(26)
