おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(11月18日)は経団連会館内の某企業のイベントに目次 心さん(ヒューマン・ギルド法人事業部営業統括マネジャー)と出向き、13:10~14:40に
部下のやる気を引き出すリーダーの役割
と題する講演を行ってきました。
さて、私が過去に何度も何度も読んだ本の中に『自信がわくー心の科学=エゴバイオニクス』(ボブ・コンクリン著、柳平 彬訳、産業能率大学出版部、絶版)という本があります。
この本の中に次のような、死んでいった年配の男の次のような寓話があります。
善人でも悪人でもなかったこの男は、慎重な審議を経て炎を上げて燃えているサタンの洞穴に送られました。
腕には添え木が当てられていて、そのために腕を伸ばしたままにしておかなければなりませんでした。
彼が食堂に連れて行かれると、そこのテーブルの上にはご馳走が一杯並んでいました。
銅鑼(どら)の音と共にたくさんの人がなだれ込んできました。
彼らは皆、腕に添え木をしていて、痩せて、目がくぼみ、栄養不良の不幸な人たちでした。
次の銅鑼(どら)の音がすると、食べ物の方へひょいと頭を下げ、ご馳走を一口ほおばって飲み込もうとしました。
腕が曲げられないので、手に取って食べることができなかったからです。
次の銅鑼(どら)が鳴ると、皆部屋から追い出されました。
こんな状態に耐えられない男は、サタンに頼み込んだところ、聖ペテロとの相談の結果、天国に入ることを許されました。
ただし、男が聖ペテロに挨拶に行ったとき、こう言われました。
「添え木はここでも使うから、そのまま付けておくように」
再び食堂に連れて行かれた男は、すべてのテーブルによだれが出そうなご馳走が並んでいました。
ここでも銅鑼(どら)が鳴り、たくさんの添え木をつけた人たちがなだれ込んできました。
しかし、彼らの外見は違っていました。
快活で、栄養も十分で、幸福そうでした。
次の銅鑼(どら)の音と共に、男は地獄とは事情が違うわけがわかりました。
というのは、彼らは手を下に伸ばして食べ物を掴み、お互いに食べさせ合ったのです。
著者のコンクリンは、実はヒュー・オールレッドという人からアドラー心理学を学んでいた人でした。
この寓話の後に、次のことを書いています。
・これは、この地上での人生の物語である。
・生きて栄えるためには、他人と仲良くし、協調しなければならない。
・あなたは、自分の才能と能力を使って、他の人々の役に立たなければならない。
・人は皆、お互いにとって大切な人間であるという自覚を持たねばならない。
アドラー心理学を伝えるための最高級の寓話ではありませんか?
<お目休めコーナー>11月の花(14)