おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
一昨日(11月21日)、昨日(11月22日)は、静岡県に事業所がある会社でカウンセリングに従事していました。
この企業では、研修とカウンセリングを組み合わせたプロジェクトをお手伝いしています。
会社名を特定せず、カウンセリングで私が使ったメタファー(たとえ話)をご紹介します。
なお、守秘義務がありますので、実際のケースとは少々内容を変えています。
私はカウンセリングの際に、クライアントに入りやすいメタファーを使います。
ちなみに、このことは、アドラー心理学のカウンセリングではよく用いられることであり、また、私自身は仏教の「対機説法」からかなり学んでいます。
(注)対機説法・・・仏語。教えを相手の資質に相応して理解のゆくように説き聞かせること(『精選版 日本国語大辞典』)
クライアントの方は、高校・社会人として野球に熱中していて、ポジションはキャッチャーでした。やがては管理職に目されている人です。
私は、キャッチャーが野手の中で最も頭脳を使うポジションであることをその人から教わった上で、今年の日本シリーズでは、日本ハム 対 広島カープという外野手出身の監督同士の戦いになり、4勝2敗で栗山監督率いる日本ハムの優勝が決まったことから、いわゆる野村ID野球の影響力低下の仮説を伝えました。
野村克也元監督は、外野手出身の監督は名監督にならないことをずっと力説してきました。
その他のことも含めて野村元監督の考えを次のブログでご参照ください。
◆2015年10月27日付けブログ 来年のセ・リーグ監督:全員40歳代、そして5人が・・・・
◆2014年2月25日付けブログ 野村克也講演会 ― 常勝軍団のつくり方
私は、キャッチャー出身の監督が陥りやすいものの見方として次の傾向がありうることをお伝えしました。
・1球、1回、長くても1試合にこだわり、短期、ミクロのものの見方に傾きがちであること
・攻撃よりも守備を重視
しかし、栗山監督は、野村元監督よりも三原元監督から学んでいて、より長期的な観点から選手育成を図り、奇想天外な策を用いることもあります。
例えば、野村氏は大谷翔平選手のいわゆる二刀流の起用に反対していました。
しかし、栗山監督は貫きました。先発で一番打者で起用したこともありました。
長期戦を勝ちぬくために選手を育てるには、1試合、1試合に勝利を収めることにこだわるよりも選手の身体・栄養・心理面を含めた総合的な支援が必要です。
これは、たとえてみれば、キャッチャーの得意とする短期、ミクロのものの見方に基づく「鳥の目」に加えて、長期、マクロの目も必要だし、流れを見据える「魚の目」も持ち合わせなければならないことを説いたら、その方はやたら納得してくれました。
こうしてみると、カウンセラーとしての私が野球ネタを含めた雑学的な知識が効果を発揮したことになります。
対機説法のカウンセリング・トークの必要性をますます感じたケースでした。
<お目休めコーナー>11月の花(17)
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