おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(4月16日)は、13:00~17:00に企業の管理職対象の変革型勇気づけ研修の2回目を行ってきました。
さて、私が昨年「この人は間もなく大化けしますよ」と言った 佐藤 健陽さん の『あがり症は治さなくていい — 大切なことはアドラーと森田正馬に教えてもらった』(佐藤健陽著、旬報社、1500円+税)の紹介です。
佐藤さんが大化けするとみなした私の根拠は
(1)陰の極まった体験をしてこそ陽が生じること
(2)佐藤さんの誠実な人柄
(3)名前に「健」康な「陽」を持っていること
が主です。
この本と関連づけて語ることにしましょう。
佐藤さんは、高校2年生の夏にあがり症を発症します。
その後、20代半ばに秋田の実家に帰省したとき、お母さんを前にして全身に緊張が走り、動悸が早くなる体験をします。
まさかのお母さんに、です。
大学を卒業してからの就職先は「ブラック企業」とも言える麻雀店。
ここで13年も働きます。
まさに「陰」の体験です。
その後、上京し、社会福祉の仕事に従事し、アドラー心理学にも出合います。
その後は、陰から陽に転換していきました。
◆陰陽について手っ取り早く理解するのは、次のブログが便利です。
2015年10月9日付けブログ 陰の時期 鍛錬の秋
アドラー心理学との出合いは、ヒューマン・ギルドでです。
私は、当時から佐藤さんのお人柄に魅せられました。
おそらく私だけでなく、佐藤さんと関わったことがある人なら私と同じ印象を持つことでしょう。
ハッタリや人を押しのけたりすることがないのです。
その誠実さは、文章にも出ています。
長く社交不安に苦しんだ末にぼくがたどりついた結論は、あがり症の本質はあがってしまう状態にあるのではなくて、あがることを抑えようとする不可能な努力によって症状が深刻化し、そのために生活を奪われてしまう結果にあるというものでした。
あがることは自然な感情であって、それを止めることができないなら ― それをことさら否定しなければいいのではないか。
あがり症に対する魔法の処方箋がないことを誠実に語っているのです。
第3に、佐藤さんは、「健」康な「陽」のお名前の「健陽」をお持ちです。
ここで大切なことは、「健康な陽」は、太陽に照らされ続けて咲く朝顔とは違うのです。
そのことを佐藤さんは、本書の130ページから135ページで「朝顔が咲く理由」として書いています。
朝顔の花が咲く陽のためには、朝に光が当たる前に夜の冷気と闇に包まれる、陰の時間が欠かせないのです。
感動箇所です。
内容は是非、『あがり症は治さなくていい — 大切なことはアドラーと森田正馬に教えてもらった』を手に取ってお読みください。
とても読みやすい本として仕上がっています。
おそらく次に他の出版社からも声がかかるでしょう。
あがり症と関係のない人にも、1つの生き方のモデルとそれを支える理論を身につけるためにお勧めです。
◆ヒューマン・ギルドでも取り扱っています。
<お目休めコーナー>4月の花(17)
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