付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ルナティカン」 神林長平

2008-01-07 | 超能力・超人・サイボーグ
「人間なら、時代が変わろうと、どこで生きようと、変わらない感情というのがあると思うの」
 リビー・ホワイトの言葉。

 月面都市の大企業LAP社は、自社製アンドロイドの両親に人間の少年を養育させる実験を行なっていた。地球のノンフィクション作家リビーは、このポール少年に対する非人道的行為を告発するため月面を訪れた。とある事情からポールの成長を見守る自由探偵のリックと出会った彼女は、少年の哀しい出自を知る。それは、入植初期の地下都市跡で生活し、地上の人間からは蔑視される一族“ルナティカン”の物語でもあった…。


 神林長平をぼくらの世代は文系SFの旗手として支持した。『敵は海賊』『七胴落とし』『戦闘妖精雪風』『狐と踊れ』……コミカルなスペースオペラから不気味な未来図まで表現は様々だけれど、根底にあるのは「自分とは何か」「人間とは何か」という思考実験による問いかけなんだと思う。

【ルナティカン】【神林長平】【月】【地下遺跡】
コメント
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