高校の頃はモンスター図鑑みたいなのは世の中に存在せず、それっぽい本の名前を聞き込んだらそれこそ必死で探し回ったなあ。今ならアマゾンかヤフオクか紫式部か……良い世の中になったなあ。ビバ!21世紀。
そんな不自由な時代に小遣いはたいて手に入れたのが、アルゼンチンの偉大なる(そして知られざる)作家ボルヘスが編纂した『幻獣辞典』。古今東西の文献や伝説から拾い集めた幻想の存在を紹介しているもので、後の新紀元社のシリーズなどと比べると収録数では物足りなくはあるものの文学的にはかなり広くて深いので、入門書としては最適だったのかな(この表現はおかしい?)。
クラーケンとかスフィンクスとかチェシャ猫とかベヒーモスとか有名どころも載ってますが、なにせ、項目の1番目が「ア・バオ・ア・クゥー」。
なんというか素人には検証反証が難しい本ですわ。
最近のこういう事典系の本には、原典をあたらず先行の類似書の二次引用とか孫引きみたいな書き写しで作っているような本も見受けられ、間違った記述までも継承されるということがあったりするそうなのだけれど、これについては意図的にデタラメを載せている痕跡がなきにしもあらず。それこそ、ア・バオア・クーなんて他の本で見たことありませんってば。
あるいは、ペリュトーンについても「ペリュトン(Peryton)」として載ってますが、本当にボルヘスの創作は混ざってないかと疑念を抱いても、出典が「記録はアレクサンドリアの大火で焼失した」「論文は第二次大戦の前まではドレスデン大学に保存されていた」では調べられませんって。どちらも街ごと消えてるではないですか!?
なにせ独裁政権下で生き延びた作家だけに、作品も一筋縄ではいきません。
【幻獣辞典】【ホルヘ・ルイス・ボルヘス】【幻獣】【文学】
そんな不自由な時代に小遣いはたいて手に入れたのが、アルゼンチンの偉大なる(そして知られざる)作家ボルヘスが編纂した『幻獣辞典』。古今東西の文献や伝説から拾い集めた幻想の存在を紹介しているもので、後の新紀元社のシリーズなどと比べると収録数では物足りなくはあるものの文学的にはかなり広くて深いので、入門書としては最適だったのかな(この表現はおかしい?)。
クラーケンとかスフィンクスとかチェシャ猫とかベヒーモスとか有名どころも載ってますが、なにせ、項目の1番目が「ア・バオ・ア・クゥー」。
なんというか素人には検証反証が難しい本ですわ。
最近のこういう事典系の本には、原典をあたらず先行の類似書の二次引用とか孫引きみたいな書き写しで作っているような本も見受けられ、間違った記述までも継承されるということがあったりするそうなのだけれど、これについては意図的にデタラメを載せている痕跡がなきにしもあらず。それこそ、ア・バオア・クーなんて他の本で見たことありませんってば。
あるいは、ペリュトーンについても「ペリュトン(Peryton)」として載ってますが、本当にボルヘスの創作は混ざってないかと疑念を抱いても、出典が「記録はアレクサンドリアの大火で焼失した」「論文は第二次大戦の前まではドレスデン大学に保存されていた」では調べられませんって。どちらも街ごと消えてるではないですか!?
なにせ独裁政権下で生き延びた作家だけに、作品も一筋縄ではいきません。
【幻獣辞典】【ホルヘ・ルイス・ボルヘス】【幻獣】【文学】