
高坂京介の言葉。
表紙だけ見ると、大団円の最終回と見えないこともありません。
へたれな高坂京介が主人公の一人称小説がもし存在するのなら、気取って「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」などと言い出すかもしれないが、俺、赤城浩平は断言する。「俺の妹はこんなに可愛い」と。
たとえ腐女子といわれていようと、俺をホモ扱いしようと、夜中にホモゲーを買いに走らせようと……。
京介以外の視点から物語を語る特別編。
「あたしの大好きなお姉ちゃんは、男の子に健気な恋をして、勇気を振り絞って告白して、そして幸せをつかみ取った凄い人だった。
尊敬すべき女性だった。こんなに嬉しいことはない」
内気なお嬢様だった槇島沙織がいかに沙織・バジーナになったのかが語られる「わたしもわがままに生きてやる」篇とか、黒猫が神猫になっていく一部始終を妹視点から語った「お姉ちゃんの妄想がひどくなっている」篇とか、いろいろ視点が変わると物語の見え方も変わってきて面白い。ミステリーでいうなら回答編の意外な結末といったところか。
黒猫のあたふたする姿はかわいいし、姉への反発からオタクの道を突っ走った沙織も応援したいけれど、問題は田村麻奈実の視点ではまだ何一つ語られていないこと。最大限の地雷だか時限爆弾がいまだ所在不明のままチクタク動いてますよ?
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