「このライトノベルがすごい！」と気負いすぎて、最近の潮流から外れたマニアックで微妙な作品ばかり送り出している気がするレーベルですが、今月のラインナップはどうでしょうか？「神様、どうか今日も世界中の女の子が幸せでありますように」
呼吸するように女性を口説かずにはいられないのが望月砕月のビョーキである。
本人の意思とは裏腹に、ついついオートマティックに女性を口説いてしまい、なまじ容姿がいいだけに実際モテてしまう。その結果が修羅場の連続。
二股がバレては恋人たちに袋だたきにされ、街を歩けば男たちからつけ狙われる毎日だ。
その上、謎の美少女・タマまで口説いてしまったことから、世界を救うためのバグ退治に巻き込まれてしまうが……。
『このライトノベルがすごい！』大賞に応募したときのタイトルが『ウーマナイズ・ジェネレーター』だったと聞くと、このタイトルのあらためっぷりは驚異です。確かに原題のままでは内容を反映しているとは言い難いですし、巻末の作者と編集が考えたタイトル案を見ると確かに決定したタイトルがいちばん内容を反映していて上品です。
究極のすちゃらかナンパ男が世界のほころびから生まれる怪物と戦うはめに陥るけれど、相手が女性型だと思わずナンパしてしまい、毎回気が狂わないのが不思議なくらい死にかける話。もしくは自分の言動に悩んでひとりツッコミしてしまうような主人公が、傷つけてしまった女の子たちに謝罪しようと奔走するたびに泥沼にはまっていく話。
タイトルはともかく、内容的には確かに大賞が納得できる作品。ただし、人間関係的には詰んでいるので、続刊は出さない方が美しいと思います。
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