付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ゲーム・プレイヤー」 イアン・M・バンクス

2013-02-10 | 宇宙・スペースオペラ
「うしろめたいシステムは無垢な人間の存在を認めない」

 人類文明“カルチャー”は頂点に達していた。
 貧困も病気も、死すら超越してしまい、人々は日々、さまざまなゲームに興じている。
 ゲームの達人と呼ばれているジェルノー・グルゲーのもとに、究極のゲームへの招待が届く。
 それはカルチャーとは別の文明、政治も軍事も宗教もすべてゲームで決められるというアザド帝国の皇帝が主催するゲームであった……。

 松本零士といえば『インセクト』であり、『火星の戦士』の表紙カバーなのです。
 でも、この表紙イラストは今いち。誰が手を抜いたか知らないけれど、主人公は黒人のはずなんだけれど、白い顔の人しか表紙にいないのだ……。

 内容的には、オーソドックスなゲームSF……ゲームSF? 
 AIをパートナーにジョン・ヴァーリイの八世界シリーズのような世界から異星を訪問した男が、ひたすらゲームを繰り広げる話。設定だけをちらりと聞くと、ゲーム世界にダイブインするサイバーパンクっぽい作品のような気もしますが、実際はもっとアナログで、カードバトルをしない遊戯王というのがいちばん近いかも。
 発表当時は良かったんだろうけれど、今の日本で読むならばゲームの内容が平凡。なにか凄いんだろうけれど、カイジとかを読んでしまうと肝心のゲーム部分が物足りなく思えてしまうのが残念。この半分の文量でインパクト勝負に走ったら傑作かも。

【ゲーム・プレイヤー】【イアン・M・バンクス】【松本零士】【角川文庫】【帝国ゲーム省】【性転換】
コメント
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