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バグだらけのクソゲーをやりこんだ相良操麻の言葉。
通称「猫耳猫」と呼ばれる仮想現実体験型ゲームは非常に残念な出来だった。
まず、オンラインMMORPGを目指していたはずなのに、ソロプレイしかできなかった。オンラインなのは、てんこ盛りのバグを解消するためのパッチをあてるためだけにあったといって過言ではない。そして、悪意たっぷりの意地悪で不親切で理不尽なシナリオとシステム……。
そんなゲームであっても、やりこまずにはいられないマニアはいたけれど、相良相馬はこんな世界に転移して帰還不能に陥ってしまった……。
これまた「MMORPGの世界に取り込まれたゲーマーの冒険譚」なのだけれど、入り込んだのがバグ多発のゲーム。やりこみしていた主人公ソーマは、シナリオやシステムを熟知していてバグ仕様を逆手に取ったプレイで優位に立つのだけれど、迎え撃つゲームの側も理不尽で不合理で、なおかつ現実化することでゲームの時と変わってしまっていて……という、ある種コンゲーム的な楽しさの1冊。
今回は、プレイヤーが一所でレベル上げしていると、どこからともなく多数のモンスターを引き連れて逃げてくる「トレインちゃん」篇。
オンライン小説として相当読まれている作品だけれど、単行本化にあたってプロローグのコミック化とか、内容の手直しとか、注釈の追加とかがかなりされていて、ネットで読んでいても買った価値はありました。良い仕事してます。
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