
ケリーたちの小隊には3日間の休暇が与えられたものの、周囲には酒場もなければ女もおらず、何もすることがない。そんなとき、密かに転がり込んできたのは、ドイツ軍が近くの街から金塊を運びだそうとしている情報だった。
金塊は前線の向こう、ドイツ軍支配下の銀行だけれど、このまま日向ぼっこをしていても3日後にはまた前線に送り込まれて死ぬことになるだけならば、一攫千金を狙ってもいいんじゃない?
ケリーたちは武器をかき集めて敵陣の奥深くへと潜入していくが、いつの間にか金の匂いを嗅ぎつけた欲の亡者たちが集まってきて、司令部の意図しないところで一大攻勢が始まっていた……。
すっかり生活の場になっちゃっている姿も良いけれど、トンネルから出てくるシャーマンも格好いいんだ。戦争映画が円熟しきって役者も脂がのりきっている時期の作品で、戦車や銃器もそれっぽく大物から細かいところまで揃うくらいにリアリティは重視しているけれど、一方で人道的とか思想的な面から戦争を語ろうなんてリアリズムや大作嗜好は持ち合わせていなくて、結局は戦争なんてエライさんの都合で起きているんで、下っ端は欲得だけだよ……という話。当てにならない支援砲撃とかファイアーフライみたいに砲身だけ太くしてみました……ってあたりも泣かせるけれど、いろいろ余計なものが付きすぎです。
ガルパンを視ていたら、なんか女の子たちも『戦略大作戦』を視ていたようで、なんかほっこりしちゃいました。
「橋はある…………今はもう無いっ!」
なんどもDVDになりブルーレイも発売されていますが、どれにも日本語吹き替え版が入っていないのが難点。山田康雄のイーストウッドに大平透のテリー・サバラスに宍戸錠のサザーランドは最高なのに……。
最期にカール=オットー・アルベルティが登場するに至り、戦争映画としてはカンペキになっちゃったのではなかろうか。
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