付け焼き刃の覚え書き

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「ヴァンパイア・サマータイム」 石川博品

2013-09-14 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「好きな人のにおい嗅ぎたいってのはふつうだってこと」

 クラスメイトの机に「おまえの血を吸いつくしてやる」という脅迫めいた手紙が投げ込まれていたことから、山森頼雅は手がかりを求めて夜間部の生徒に相談を持ちかけた。
 それは彼がバイトしているコンビニでちょくちょく出会う少女だったのだが……。

 人間と吸血鬼が昼と夜でシェアして共存している世界。ちょっと日常系学園ミステリっぽいエピソードから始まったけれど、基本は高校生男女のラブストーリー。クライマックスのファーストキスはかなり濃厚。
 人間と吸血鬼が……とかなるとパラノーマル・ロマンス小説だとけっこう種族の垣根が問題になってきたりするけれど、そのあたりはたいした問題ではないみたい。国際結婚程度というか、テレビ番組で「人間と吸血鬼が夫婦の家庭あるある」が取り上げられるくらい、馴染みはあるけれど一般的ではない……というあたりのさじ加減が好きです。
 この話は日本人のお寺の息子と赴任してきた宣教師の娘……みたいな構図でもかまわないのかもしれないけれど、そこで昼と夜の境界線が引かれているところでひと味違います。
 人間は夜の世界に足を踏み入れられるけれど、吸血鬼は昼の世界からは拒絶されているという点はかなり大きなファクターです。

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コメント
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