時は戦国。荒れ狂う動乱によって京の都の決壊に綻びが生じ、強大な魔力を持つ妖が跋扈し始める。このまま放置していては、魔界への通路が完全に開かれてしまい、人の世が終わってしまう。
これを防ぐため、出雲の地に密かに隠されている霊剣を取りに行くことになったのは、安倍晴明の末裔である土御門家の姫である光子（ひかりこ）であり、自らは都を動けぬ土御門の当主は、その護衛として伊賀の郷より腕利きの忍び７人を呼び寄せた……。
陰陽師の少女と彼女を守る伊賀忍者が、妖にそそのかされて襲ってくる毛利の軍勢や尼子の忍者たちの追っ手をいかにかわして都に戻ってこられるか、そして姫は霊剣を使いこなして魔を討てるのかというロードムービー……映画じゃないから「道行」ものか。
山田風太郎からエログロを少し抑えめにしたような伝奇忍法帖。『仮面の忍者赤影』の魔風編とか根来編も好きだったので、こういう話も好物です。怪獣は出てこないけどね。
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