付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「とあるおっさんのVRMMO活動記3」 椎名ほわほわ

2014-12-25 | VRMMO・ゲーム世界
「過ちを繰り返さないように忘れてはならぬが、それを盾にした交渉など外道のすることだ」
 たとえ同胞であろうと、理不尽な要求を脅迫でゴリ押しするグリーン・ドラゴンの横暴は赦されないとレッド・ドラゴン。
 これはあれだ、盗賊ストラゲンの「おれは自分が生まれる千年前に起きたことよりも、自分が平然とおかした罪のほうによっぽど負い目を感じるね」というセリフと根っこは同じだ。

 38歳のおっさんは今日もVRMMOファンタジーを楽しんでいる。現実ではもう思いっきり身体を動かすなんて難しくなってきているのだから、その分も楽しみたいじゃないか。
 だから、もう目立つことはしないと一大イベントへの招待も断り、黙々と新しい弓の開発をしているのだけれど……。

 物語としては舞台の裏側がいろいろ見えてきて、主人公への運営サイドの注目度もアップしていますが、あいかわらず今回も鍛冶仕事したり料理したりのんびり遊ぼうとしています。無理だけど。
 そしてクィーンとの関係にも転機が訪れ、新たなAIキャラたちが表舞台に現れ始めます。
 あと、この話では、料理も鍛冶も冒険もあれこれやろうとしている主人公は、何か一点に特化したプレイヤーには勝てないということをはっきり書いているのも特色。確かに弓の製造では一歩抜きん出ているけれど、これは不遇職だった時代からの先行利益に過ぎず、戦闘はもちろん料理でも鍛冶でも彼より格上はごろごろいるのです。
 そういうことをしっかり描いているからこそ、それでもなお彼が騒ぎの中心になってしまう理不尽さが映えるんですね。

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コメント
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