定食評論家が、家族サービスと取材を兼ねて、ソウル、台北、バンコク、沖縄、シンガポールとアジア各地でデパートの食堂やフードコート、食堂などを食べ歩いた食の紀行文。トンカツとかカレーライスとかラーメンとか、日本のチェーン店が乗り込んでいたり独自のアレンジで地元の食事に取り込まれていたり、アジアにおいて浸透と拡散を続ける日本食のレポートとして読んで面白い１冊。
ただ、「家族」「ツアー」と言いながら、いつも同行している妻子がまったく愉しそうでないことだけが気になってました。せっかく海外にまで出かけているのに好んで食べるものと言えばマクドナルド、ロッテリア、ケンタッキー、ラーメン。史跡などにも興味を持たず、ただショッピングと遊園地……。
なんなんだ!?と思っていたのですが、よく読めばこの旅行記は1996年から2011年まで。下の子供はいちばん若いときで未就学。「妻子」といっても「小学校低学年と未就学の女の子２人を連れた母親」と理解し直してみれば、逆によくぞすぐに怪しげな定食屋や古本屋に消えていく夫につきあって海外旅行したものだと感心してしまったのでした。
そりゃあ、旦那が悪い。
【定食ツアー 家族で亜細亜】【今柊二】【亜紀書房】【怒濤の食紀行】【出前一丁】【味千ラーメン】【サバ定食】【いなり寿司】
