「奴の叡智は俺をはるかに凌ぐか！ 鬼才過ぎて手が読めん！」皇帝ジルクニフの叫び。
アインズ・ウール・ゴウンは魔導国を建国し国王となった。孤高なる魔導王の誕生である。
アインズは魔導国を理想郷とすることを決意し、その手始めとして冒険者組合の強大化と冒険者の育成への第一歩を踏み出すが、彼にとっての慎重な行動は周囲に大きな波紋を引き起こす驚天動地の奇策と受け止められて……。
勘違い系内政編に突入です。
魔法１つで何十万という大軍勢を吹き飛ばし、白兵戦でも桁外れに強い大魔導師ですから、周辺諸国への影響も大きいわけですが、本人はちょっと自覚が足りません。真面目に真摯に動いているつもりなのに、魔導国への対抗策を講じようとしている諸国の支配者たちは戦々恐々。
中身はちょっと学のない、ゲームにだけは熱心なサラリーマン・鈴木悟が、ある意味、日本人的な思考で行動するのに周囲はアンデッドの大魔法使いとしかみないので、その勘違いの齟齬から始まる国家の盛衰はもはや悲喜劇です。そこを強調する意味なのか、今回はやけに中の人「鈴木悟」をアピールしている気がします。
「支配されている感じがして、アインズ様最高」
アインズ自身は気が引けて申し訳ない気分がいっぱいあるのだが、メイドら部下への言動は傲慢な態度の方が受けが良い……というか期待されているのだ。
この本は中身ももちろん、装幀もイラストも手が込んでいてよくできているのだけれど、背表紙の文字が小さく読みにくく、巻数がわかりにくいのです。そこだけが不満。
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