付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「鋼鉄の黙示録」 チャーリー・ヒューマン

2016-09-10 | その他SF(スコシフシギとかも)
「いったん始まったら、最後まで見なけりゃならない。一時停止ボタンはないんだ、わかったな」
 呪術師(サンゴマ)トーンの言葉。

 バクスターは麻薬や暴力がはびこるケープタウンの高校で、あちこちの勢力の隙間をかいくぐってポルノビデオで一儲けを企んでいる高校生。ところが最近、学生が行方不明になる事件が相次ぎ、しかもそれは異形の怪物たちの仕業らしいと噂されるようになっていた。
 そんなバカ話は聞き流していたバクスターだったが、異形の怪物に殺されるスナッフムービーが流行りだし……。

 南アフリカの高校を舞台に学生ギャングが抗争を繰り広げる中、ポルノを売りさばいて資金稼ぎしているグループ「スパイダー」のリーダーが主人公。ドラッグあり、セックスあり、暴力ありで、人間のクズが主人公のピカレスク学園小説かと思いきや、そこに人を襲う怪物が出没し、ご先祖さんは呪術師で、曾祖母は美少女で、超常現象専門の賞金稼ぎと協力したかと思うと秘密諜報機関が乱入し、エルフだ、ドワーフ傭兵だ、ゾンビだとぐっちゃぐちゃになったあげく時間と空間をねじ曲げて最後は巨大ロボット対決になるバイオレンス伝奇アクション小説。
 これがイギリスの新人SF作家ということで、洋の東西を問わずこういう作品は出てくるんだなあと思いましたが、ちょっとユーモアのセンスが違うなあと思いました。

【鋼鉄の黙示録】【チャーリー・ヒューマン】【創元SF文庫】【イギリスSF界騒然のデビュー作】【銃弾と呪術】【幻影使い】【呪術師】【鬼族】【エルフ】【ティータン級駆逐艦】【並行世界】
コメント
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