付け焼き刃の覚え書き

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「幼女戦記6」 カルロ・ゼン

2016-09-16 | 異世界転生
 すべてが凍てつき、一挙手一投足に骨を折る季節となった。
 画一的な教育を受けて育ち、現場を知らない参謀本部には東部戦線の冬は分からない。想像できない。しかし、ターニャ・フォン・デグレチャフ中佐は現場の将校として前線を支え、生き抜かなければならない。少しは飲めるコーヒーが届いただけで御の字だ。どうやら自分たちは忘れられてはいないらしい。
 サラマンダー戦闘団は敵の兵器を鹵獲しながら戦闘を継続していくのだが……

 論理的には停戦すべきでも、敵も味方も既に論理を超えた部分で止まらなくなっているという「分かっちゃいるけどやめられない」状態で、それを前線の悲惨さも滞る兵站も知らない国内マスコミが煽り立てて、破滅に向かって一直線に加速し始める……というあたり。敵陣営のメアリ・スーの常識的な非常識っぷりが、ある意味、この象徴です。
 ただ、サラマンダー戦闘団の活躍は控えめ。あちらこちらの駆け引きやら工作に言及され、話が大きく動き出す前の溜といった雰囲気です。

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コメント
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