付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「弓と剣 II」 淳A

2017-09-09 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 今日から俺たちは義兄弟だ!
 王女救出へ──悠久の大地を駆けろ!
 熱い絆と決死の想いに胸を打たれる本格ハイファンタジー!


……という煽り文句からして詐欺みたいなものでして、二次創作としてそういう解釈をするのはアリかと思いますし、内容も大きな違いはありませんが、おおもとがそれを言い出すのはいかがなものかと思います。
 少なくとも、そんな熱血ハイファンタジーを期待して購入した読者は肩すかしを食らわされますよね。
 「熱い絆」も「決死の想い」もどちらかといえば周囲の解釈で、主人公である「若」自身はそんなに深く考えていなくて、周囲の客観的理解と本人のモノローグによる主観とのズレが面白さの作品だと思ってます。

 1年という異例のスピード出世で小隊長となったサダ。大貴族の後継であり、「六頭殺しの若」伝説の本人の扱いに頭を悩ませた上官たちは、通常の編成の十分の一規模で小隊を編成することにした。寄せ集めのようでいて、実は身の回りの世話から暗殺対策までこなせる少数精鋭なのだが、若自身は気づいていない。
 そこに若の部下になりたいと名指しで割り込んでくる新兵がいた。誰もがその要望を却下できない大貴族の坊ちゃんヘルセスである。その大貴族ゆえの場違いな無自覚わがままに、周囲は一線を引いて近寄ろうとはしないのだが……。

 落ち着かなくて不注意な間違いが多く、興味のあることには集中して大きな成果を出すけれど、それ以外のことは覚えられず忘れやすいけれど、人が良いことだけは間違いない主人公が、周囲の支えによって英雄となっていく物語。今回は王女誘拐の目論みを阻止しようと、命がけで突貫する特務部隊の顛末の巻。

【弓と剣II】【淳A】【暁杯あきら】【TOブックス】【熱い絆と決死の想いに胸を打たれる本格ハイファンタジー】【小説家になろう】【ひゃら】【結婚】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする