
厳しい祖父の方針で幼い頃から武道の練習に明け暮れ、一時は勉強など通信教育で十分だと学校にすら通わせてもらえなかったカイトは、祖父が亡くなって5年以上経った今も人づきあいが苦手だ。しかも強面なので、そもそも他人に避けられがち。大学にも行かず、夜間のバイトの傍らゲームをすることが一番の楽しみだが、それもソロプレイ専門だ。
そんな彼がスタートダッシュで薬草を採取し、薬を安く売ってみんなに感謝され、それをきっかけに知り合いを作りたいと考えても誰にも責められまい。しかし、そんな彼と初めて友達となり、一緒にパーティを組むことになったのは、エントリー受付をしたNPCだった。
ゲームを管理するAIが、あまりにプレイヤーを喜ばせようと忖度しすぎて先走ってしまったのである……。
「誰かと一緒ってのは、こんなに違うもんなんだな。
友達か……やっぱり人間の友達が欲しいよな」
プレイヤーを楽しませようとするホスピタリティが強すぎるAIに、管理権限を与えすぎるとあまりよろしくないという物語。
こういうVRMMOをテーマにした小説は「デスゲームになったので帰還方法を探す」「ゲームのはずが異世界に飛ばされました」みたいな展開にしないと、単なる一プレイヤーのゲーム日記みたいになりがちで終わりが見えなくなりがちなのだけれど、コミュ障で友達のいない主人公がNPCならまともに話ができて、彼女を通じて他のプレイヤーとも話ができるようになりと、ゲーム以外の部分で目標と目的がはっきりしているので、物語がきちんと進むんですよね。ウェブ版もきちんと起承転結があって完結したところ。書籍版もきちんと最後まで行って欲しいですね。面白いもの。
【VRMMOでぼっち脱却! 初めての友人はNPCでした。】【夢・風魔】【kyo】【Gzブレイン】【強面ケモ耳コミュ障とクール系NPCの凸凹コンビが織りなす珍道中】【露天】