付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた2」 ジュピタースタジオ

2020-01-04 | 異世界転移・召喚
「太陽さんに恥ずかしくないように生きること。それがエルフの信条!」

 狂暴化したヒグマに襲われそうになっている子供を助けて命を落とした地方公務員、中嶋進はエルフの嫁をもらい、エルフの村の狩人として生計を立てるようになっていた。そして、定期的に交易品を持って人里に降りると、他に同じ道具を使う者がいないスゴ腕の狩人としてハンターギルドに頼られている。
 しかし、ハト退治くらいなら空気銃でちゃちゃっとできるけれど、街の城壁を壊しにかかっている巨大スライムとか一筋縄ではいかないし、魔王を復活させようとする魔女の陰謀とか、教会に敵対する貴族の暗殺事件とかまでなんとかしろというのは、いくらなんでも無理ありすぎではなかろうか……?

 実銃ウンチク&狩猟知識満載ではありますが、その合間合間に銃規制するばかりの警察やハンターの仕事に無理解で理不尽な要求ばかりする市民への愚痴が混じります。全体的にはテンポの良い、異世界に馴染んだ兼業ハンターの狩猟日誌。
 エルフってカッコ良さそうだけれど、よくよく特徴だけを抜き出せば「偏屈な田舎者」とか時々言われますが、ここのエルフの村がいかにもな「昔ながらの風習が残る僻地の農村」といった有様なのがそのまんま。閉鎖的で古い因習に囚われてというよりも、水浴びとか初夜とか獲物の分配とか、牧歌的でおおらかという面が強いですけれど、こういう村だからこそ主人公の居場所になったんですね。
 本編でのスライムの生態レポートはしっかり書式を整え、背景を差し替えてのレポート形式になってます。こういう面で配慮ができている本作りをしているところは、きちんと奥付に編集者名が入っているんです。ちゃんと仕事をしている人の実績ですね。たとえばMMORPG話の「(^^;)」とか「ノシ」とか顔文字などが入る掲示板回をそのまま本文と同じ縦書き表示にするような雑な作りの本では、不思議と奥付に編集者の名前が入りません。

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コメント
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