付け焼き刃の覚え書き

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「役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 [緑樫の章]」 しゅうきち

2020-01-07 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「水は残っているか?」
「半分あるよ!」
「小便は済ませたか?」
「さっき、行っといたよ!」
「調子はどうだ?」
「うん、申し分なし!」

 トールの問いかけにソラは調子よく応える。

 トールは役立たずと言われるスキルしか持たない底辺の冒険者。周囲からバカにされつつ、スライムを狩り続けて25年。それもただ確実に、この不遇スキル〈復元〉を育て上げるため。怪物に襲われ、仮死状態となった幼なじみ・ソラを救う可能性は、それしかなかったのだ……。

 元より勘と経験だけは達人級ながらスキルが役に立たず、ゴブリンにさえ苦戦していた男が、育て上げたスキルで第2の人生を歩み始める物語。不遇スキル=最強ものにありがちな、「そもそも、そのスキルを不遇と判断したのが軽率で不自然じゃない?」というところがなく、ウサギとカメのカメが、ゴールインしたら火を噴きながら空を飛び始めたような話。今まで苦労した分、幸せになって欲しいねえ。25年間、単調な同じ仕事を繰り返した後での「俺は冒険をしてみたい」と言う言葉にグッときます。
 イラストも巧くて、ストレスなく物語りに引き込まれます。

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