付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「風とタンポポ」 森岡浩之

2020-01-21 | 破滅SF・侵略・新世界
「どんな場面にも歓びを見つけないと、人生がつまらないわ」
 公私混同をすばるに指摘されたゆうづつは、そう開き直った。

 地球の国々が太陽系内の宇宙空間に機動都市と呼ばれるコロニーを建設し、人々の故郷となっている時代。深宇宙よりカリポス・ベルトと呼ばれる無数の小天体が地球に向かって飛来してくるのが観測された。
 それが小惑星をも粉砕してしまう謎の生命体ルピアンと微小な天体の集合体であることを察知した人類は、国際空間義勇軍を創設。しかし、義勇軍部隊の1つ・日本第7軍団の指揮官に選ばれたのは、機動都市〈瑞穂〉で生まれ育った女子高生、葦沢すばるだった……。

 『星界の紋章』でお馴染みの森岡浩之が、ウェブ小説として発表した作品の書籍化。「人類の存亡は平凡な3姉妹に託された」という帯のあおり文句からファーストコンタクト+スペースオペラくらいの内容を予想していたら、60年代特撮+70年代SFに萌をかぶせたような話でした。××みたいな話という感想はバカっぽいと常々思っているのだけれど、そんな感想しか書けない自分のバカさが恥ずかしい。つまり、「妖星ゴラス」と「日本沈没」と「エンダーのゲーム」を足して割ったような話で、全体の印象は「世界大戦争」みたい……かな。社長は絶対フランキー堺だと思いました。
 けれども、読み終わってから視点を変えてみると、これは「平成狸合戦ぽんぽこ」なんですよ。まったく。

 サブタイトルの「惑星環物語」は実質的に後伝の短編のタイトルですよね。

【風とタンポポ~惑星環物語~】【森岡浩之】【碧風羽】【アークライトノベルス】【ディザスターストーリー】【木星船団】【YOMVAN】
コメント
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