「キャベツの千切りって……、キャベツからできてるんだね！」トレボーが心配になってつきっきりで世話をするほど、ろとは世間知らず。
すっかり過疎化したＭＭＯＲＰＧで、今日も「ろと」と「トレボー」はモンスター退治をしている。トレボーのパーティーも脱退が相次ぎ、残るメンバーの「ワードナー」と「ゾーマ」も最近は姿を見せていない。ワードナーは「ワードナーとトレボーがいたら、組まなきゃならないっしょー！」といきなりギルドに居着いてしまったし、ゾーマもろとがいるならと勝手にやってきたが、トレボーにはなぜこれらがセットになるのか理解できない。
そんな過疎ゲーのある日、ろとがとんでもないことを言い出した。
「ぼくねー。四億円当たっちゃったー。どうしたらいいー？」
どうやら、ゲームの話でも冗談でもないと気がついたトレボーは、リアル住所を尋ねて家を飛び出した。こいつ、金の使い方が分かってないらしく、早くその場で止めないと無人島を買うかガチャで４億円を使い切りそうだったのだ。
ところが会ってびっくり。ろとは髭の中年男性ではなく、ぼろジャージの美少女だった……。
どうやら数学の天才らしいけれど、実態は生活能力皆無で世間知らずの引きこもり少女と同居して資金管理する事になった元サラリーマンの日常譚。無知で無垢な美少女との同居生活で世間体的にはどう見てもヒモ暮らしなのに、これで、こいつら付き合ってないんだぜ？
実生活がなぞのワードナーとゾーマも加わって、これどこの「めぞん一刻」？な、ゲームしながらちびちび預金を取り崩していくスローライフな日々。決して大金を元手にマネーゲームに参入するとか、異世界で一旗揚げるとかいう話ではないのです。
【四億円当てた勇者ロトと俺は友達になってる】【新木伸】【佐嶋真美】【角川スニーカー文庫】【スローライフ小説】【小説家になろう】【次元風すき焼き】【シャケの切り身】【クリスマス】【おっぱい】【お風呂】【ジュリアナ】【コスプレ】
