付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」 七斗七

2021-06-08 | アイドル・声優・芸能
 清楚系お嬢さまVTuberとしてデビューした泡雪だったが人気は今ひとつ。ところが、ある日、配信を切り忘れて酒盛りを始めてしまったことから素の性格が全世界に露見し、SNSのトレンド一位となって一躍脚光を浴びてしまう。しらふになって真っ青になってしまった淡雪には、もはやストゼロなしに配信する勇気はなかった。「ストゼロと結婚した女」の誕生である……。

 一切脳のフィルター通さずに喋りまくる、元清楚系アイドルの物語。
 ここ数年、YouTuber、Vtuberものが一気に増えたのだけれど、配信メインの話になるとバーチャルRPGのスローライフものと同じで、ただ日々の話が流れるだけで起伏にかけがち。けれど、いちばん熱いジャンルかも知れません。女性ばかりが人気を集めがちな業界に30過ぎた男がデビューしてみたり、Vtuberの中身が本当に魔王だったり妖怪だったり吸血鬼だったりダンジョンマスターだったりとバリエーションはさまざま。Vtuber本人ではなく、周囲の家族やスタッフというパターンもありますね。個人的には、主人公と周囲の人々、そしてリスナーとの交流が1つのドラマに帰結する「現代にTS転生したけど馴染めないから旅に出た」、タイトルそのままの逆行TS転生Vtuberもの「逆行転生したおじさん、性別も逆転したけどバーチャルYouTuberの親分をめざす!」あたりが好きで、他人にチューバーものを勧めるときは、この3作品をまず挙げてましたが、まさかこれが真っ先にファンタジア文庫で書籍化するとは思いませんでした。面白いけれど本当に汚い主人公の勢いだけで突っ走っている作品なので、確かにこの手のジャンルの切り込み隊長としては適役かもしれません。商標がらみで書籍化は難しいかと思っていたけど、ストゼロはストゼロという名前の飲み物でした。
 本の作りも、ネットの投稿が縦書きになってしまったのは仕方がないとして、モニター画面風の表紙イラスト、TwitterやYouTubeで作品そのままのプロモを配信するなど売り手は本気です。

 Vtuberものはあちこちの小説投稿サイトでいろんな作家が書いていますが、読むならハーメルンイチオシ。投げ銭とか本当にそれっぽい画面を小説として体験できるので、単に小説を読む以上に楽しめるものがあります。

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コメント
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