付け焼き刃の覚え書き

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「さくや妖怪伝」 原案:原口智生

2021-06-28 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「ハッピーエンドを目指したい。登場人物は最後は幸せに成らなきゃ」
 というのが原口(監督・原案)と光益(著)の口癖。一方、岸川(著)と冬目(コンセプトデザイン)は多少暗めにしないと整合性が……という主張。

 宝永4年、霊峰・富士が噴火。神々の結界は破られ、地の底より悪しき妖怪達が地上に溢れ出た。
 幕府はこれを鎮めるため妖刀・村正を与えられた妖怪討伐士、17歳の少女である榊咲夜を討伐行に送り出した。しかし、村雨には妖怪を討つ度に使い手の魂を喰らうという秘密があった……。

 映画の脚本を担当した光益がノベライズしたものに、企画担当の岸川が枚数オーバーした分の3割を削ってまとめたもの。無味乾燥なただのノベライズにはしないという意欲の表れ。Amazonではコミックにカテゴライズされてたけど、コンセプトデザインのマンガ家、冬目景が挿絵を描いたライトノベル。
 咲夜の役職は正式には公儀妖怪討伐士。ちゃんとした幕府のお役目なので、エピローグでは咲夜自身が右往左往する様がちらりと言及されます。こういう細かいツボを抑えるのがいいよね。望むなら、あの鬼転大筒のギミックをもっと執拗に描写して欲しかった。鬼兵衛のこだわりほど、こだわって描写されてないので。

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コメント
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