これは昔話みたいなものなのだけれど、60年代のソノシートの時代からアニメや特撮などテレビ番組のテーマ曲を収録した音楽ソフトの合間にドラマ仕立てのオーディオ劇を挿入したり番組の決めゼリフを語らせたりするものはあって、80年代になると映像化もされていないのに人気のある小説やマンガのイメージアルバムを作成してテーマ曲やドラマを収録したＬＰレコードとかが発売されるようになります。トリトン、ヤマト、ガンダムときて、マニアを惹きつける作品が売れるのが分かってきたんだよね。『グインサーガ』とか『私を月に連れてって』とか『シャンペンシャワー』、『エロイカより愛をこめて』とか続々出てましたよね。あるいはＮＨＫ－ＦＭの「アドベンチャー・ロード」では『妖精作戦』のラジオドラマとか放送し始めます。90年代になると物語のワンシーンだけではなく、作品まるまるオーディオドラマ化してカセットテープで販売するようになりました……の、『無責任艦長タイラー』です。タイラーは山本正之が演じて唄います。もともと『無責任艦長タイラー』という作品が60年代のクレージーキャッツの喜劇映画「無責任」シリーズや「日本一」シリーズ、あるいはテレビの音楽バラエティ『シャボン玉ホリデー』のパロディが原点にあるんですね。口先ひとつと思いつきだけでとんとん拍子に出世する主人公とか貧乏親子の「おとっつぁん、おかゆができたわよ」ネタとか。
そういう意味で、植木等の唄マネが得意な山本正之はまさに適任、ベストなんです。もちろんアニメからのファンの方が多かろうから異論は認める！
山本正之の唄だけでも一聴の価値ありますよ。
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