付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「SFマガジン」 2022年10月号

2022-10-18 | 宇宙・スペースオペラ
「会社名、『スタジオぬえ』って誰が言ったんだっけ?」(座談会「ずっとSFをやってきた」高千穂遙)
「話を『ぬえ』の名前に戻せば、名付け親は高千穂遙だ」(「藪をつついて鵺を出す-当時-」宮武一貴)
 50年って長いんです。

 日本の若手SFクリエイターが集まって作られた「スタジオぬえ」。その創設の経緯から現在までを座談会やら年表やら、さらにはイラストやエッセー企画まで初期の作品の再録まで含めて構成された特集号。
 SNSで「特集あるよ、Amazonでも予約開始したよ」と聞いて即座に予約したけれど、結構予約が入ったらしくて早々に完売、雑誌発売前に3刷までいったそうな。まだまだ「スタジオぬえ」のネームバリューはすごいね。表紙イラストは加藤直之による、「スタジオぬえ」を代表するメカニック群なんだけれど、サイズの関係でマクロスが中央後ろに下がったために、右腕がヤマト、左腕がアルカディア号のマクロスのマクロス強行型DAICON4のOP版に見えて仕方がないです。あっちは左右逆で、アルカディア号が劇場版でしたけど。
 特集は全体の1割5分ほどで、残りはいつものSFマガジン。買ったのは何年ぶりかな。いつの間にかブックスコープ(ブックガイド)にガガガ文庫や電撃文庫が取り上げられてます。そういえば、今年の星雲賞日本長編部門はガガガ文庫の『月とライカと吸血姫』でしたね。多くはないけど、ログアウト冒険文庫の『ひと夏の経験値』以来、ぽつりぽつりとラノベで受賞してます。
 そして、WEB小説ガイドなんてコラムも連載27回になってました。時代だね。そして書籍化もされてない「伝奇世界の悪役令嬢※90年代から来ました」が紹介されてたのにも感動。あれ面白いよ。
 そしていちばん食い入るように読んだのは「TREAK DADDY~逆襲のスタトレコロジー」のニシェル・ニコルズ追悼記事。単に1人の役者の略伝ではなく、彼女の存在がアメリカ社会に与えた影響にまで言及することになる一篇でした。黙祷。

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