
木下みなみは、もう孤高ではあったが強かったはずの日々には戻れないと訴える。
五代涼真にとって、誰にでもいい顔をして親切にしていたばかりに財産を失ってあっさり死んだ父は反面教師だ。彼は誰とも深く干渉せず、陰キャでも陽キャでもなく、クラスメイトともつかず離れずのポジションを維持している。もちろん、成績・運動はトップだが、それも努力の結果だ。
個として完成された存在を目指す涼真だが、ときおり困っている人を放っておけなくなるのは疎んじている父親の血か?
今回も正論を主張しては煙たがられて孤立している風紀委員の女子を、ついつい涼真はフォローしてしまうのだが、無駄に高いスペックで助けた相手に疎まれるまでがお約束のパターンなのだ……。
カリスマイケメンとは、つまり幸福の王子だったのだ。
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