付け焼き刃の覚え書き

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「夢のまた夢」 森岡浩之

2023-06-18 | 戦国転生・歴史改変
 豊臣秀頼の奥小姓の1人である神照庚丸は、戦乱で親を失ったらしく出自不明。それゆえに町人風情と周囲から侮られることも多いが、本人はさして気にした風もない。養い親の僧侶・浄林の縁で大坂城に上がり、ただ秀頼に仕えるのみだ。しかし、時代は動き、徳川家は豊臣家失墜を図ってさまざまな圧力をかけてくる。
 そして、ついに豊臣に叛意ありと軍を動かす徳川家康に対し、庚丸ら豊臣勢は関ヶ原の戦いを生き延びた島左近を軍師に迎え、戦場へ向かうことになる……。

 豊臣秀吉の辞世の句の一節として知られる「夢のまた夢」という言葉をタイトルに、津本陽など何人もの作家がこのタイトルで歴史小説を書いているけど、これは「星界の紋章」の森岡浩之によるもの。ここ最近、徳間文庫では電脳空間を舞台にしたハードボイルドが続いていた森岡浩之ですが、今回は秀吉が今際の際に五大老の前で秀頼に遺言を遺したところから始まる歴史エンタテイメントです。
 イラストは、『サラマンダー殲滅』など梶尾真治の作品とか時代小説からSFアクションまで幅広く担当されてる方。アニメ・コミックを当たり前に受け入れて育った大人向けのエンタテイメント小説というなら、こういう絵で良いんですよ。こんな絵がいい。カッコいい。ピンポイントで脳裏に作品イメージをたたき込んでくれます。

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