付け焼き刃の覚え書き

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「フシノカミ2」 雨川水海

2020-04-23 | 本屋・図書館・愛書家
「感動するのは大事なことです。自分に気持ち良いですからね。その感動を伝えるのも、大事なことです。相手も気持ち良いですからね」
 アッシュはアーサーにそう教えた。

 文明復旧をめざすアッシュはマイカと共に、辺境の開拓村から留学のために大都会へとやってきた。ところがその大都市も石壁の向こうは木造平屋ばかり。資源が足りないのか、技術が足りないのかと思えば、どうやらどちらも足りないらしい。
 この状況から建て直すのはどう考えてもアッシュ個人では限界がある。
 けれども、そこで個人で限界があるなら、手伝ってくれる人を増やせばいいと動きを止めないのがアッシュであった……。

 主人公の持つオーバーテクノロジーやロストテクノロジーを利用して、前近代文明から産業革命をすっ飛ばす話は多いのですけれど、試行錯誤のプロセスを1つ1つきちんと押さえながら、その上で主人公のパワーに周囲の人々が巻き込まれていくさまがきちんと語られているから面白いのですね。
 表紙は前回は木陰にいたと思しき2人に加え、アーサーも登場。アーサーもいずれ太陽の下に出てくることでしょう。

【フシノカミ2~辺境から始める文明再生記~】【雨川水海】【大熊まい】【オーバーラップノベルス】【内政ファンタジー】【有機肥料】【石鹸】【囚人部隊】【簿記】
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