付け焼き刃の覚え書き

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「帝国第11前線基地魔導図書館、ただいま開館中」 佐伯庸介

2024-01-16 | 本屋・図書館・愛書家
「行けっ!我が図書館係たちよ!!ボンクラ利用者どもを根絶やしにしろ!」

 無一文無職のカリア=アレクサンドルは学生時代の知人でもある、クレーオスター皇女の紹介した「帝立図書館」の司書の仕事に飛びついた。しかし、そこは図書館は図書館でも《連合軍》と《魔王軍》との戦いが続く最前線にあった。
 最前線こそ娯楽は必要。さもなくば兵の士気は下がりっぱなしだ。そして、もしかしたら読書こそもっともコストパフォーマンスに優れた娯楽では無いのかと皇女の肝いりで、最前線基地の1つに蔵書3万冊という図書館が設けられたのだが、カリアにはもう1つ極秘の仕事が与えられていた……。

 眼鏡で八重歯で巨乳にソバカスというマニア好みの属性盛り合わせの魔導司書が、銃を与えられた兵士や勇者に魔導具が乱れ飛ぶ戦争という現実に立ち向かう英雄譚。書架の整理、貸し出し業務、延滞図書の回収、傷んだ本の修復、リクエストに応えての本の取り寄せ、レファレンスまで、図書館の仕事がそのまま最前線で起きるさまざまなエピソードと絡み合います。

『凄惨なる光景、残忍な行為。だが自分は本を読んでいるからまだ人間なのだ』
 戦場へ最初に本を持ち込んだケンドラー将軍の言葉。

 筋金入りの司書の活躍で基地の空気が変わっていきますが、戦線は激化するばかり。そして、すべてを破壊し尽くす魔王雷が基地を狙って発動し始めます。魔王軍はさまざまな種族の連合体、人間とはまったく違う文化の持ち主。それゆえに起きる読み違い。
 魔王軍との戦いの帰趨、そして戦場の図書館の運命やいかに!?

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