「天空の秘宝」 ウィリアム・C・ディーツ

　ずっと以前に出た同じ作者の『戦闘機甲兵団レギオン』を読んだときは、タイトルほど面白くなかったなあという感想だったのだけれど、この『天空の秘宝』はデビュー作。で、かなり面白かったので、レギオンの方も今読み直したら面白いかも知れない。ツン読分をひととおり片付けたら再チェックしてみよう。

　サム・マッケイドはバウンティ・ハンター、つまり賞金稼ぎ。100万クレジットの賞金首をしとめて一息つく間もなく、次の仕事の依頼が入ってきた。行方不明の軍人捜し。
　人捜しなど簡単そうに見えるけれど、これがかつての職場……地球帝国航宙軍がらみの仕事と。一筋縄でいくはずもない。あっという間に地球帝国、宇宙海賊、イル・ローン帝国との三つどもえの抗争となり、気がつけば地球帝国の存亡を賭けた争いとなっていた……。

　ハードボイルドなスペースオペラ。
　スピーディーに宇宙狭しと飛び回り、二転三転する舞台はこれぞスペオペ！といった魅惑な世界。ひと癖もふた癖もある登場人物たち。敵か味方か帝国軍。なんとも狡猾にしてしぶとい宇宙海賊。最後に頼れるのは己の銃のみという痛快な作品でした。

【ハードボイルド】【賞金稼ぎ】【地球帝国】【宇宙海賊】