「魔境惑星アルムリック」 ロバート・Ｅ・ハワード

「なるほど、生命を創りだすことはできぬかもしれぬが、意のままに生命を断つことはできます」
「神とは"力"の別名にすぎぬ。わたしはこの惑星の"力"。それゆえこそに、私は女神なのです」
　ヤッグの女王ヤスミーナの言葉。ヤスミーナと聞くと「休みいな」とか「安眠な」とかいったほんわかした言葉が連想されちゃうけれど、ヤスミーナ女王は白兵戦でも無敵な食人族の首魁なのでした。

　あのコナンを生んだハワード唯一のＳＦという触れ込みだけれど、やっていることはヒロイック・ファンタジーです。バロウズの火星シリーズ並にはＳＦだけどもさ。ただ、もうパワフル。500フィートの高さから水中に落下して生きてられるとは信じられないだろ!?　でもさ、現に生きているんだから仕方がないぜ！……そんな話ですね。主人公みずからそう言ってんだから。
　理屈抜きで、勢いで押し通せる時代があったんだよ！

【食人族】【神】【美女】