急な種目変更に参加校をあわてふためさせながら、2096年度『全国魔法科高校親善魔法競技大会』、九校戦が開幕した。モノリス・コードに参加する吉田幹比古や新競技ロアー・アンド・ガンナーに抜擢されたエイミィたちを、直接あるいは間接的にバックアップするのは技術スタッフとして参加する司波達也。もちろん裏では魔法兵器『パラサイドール』計画を阻止するのに奔走しているが、参加選手たちに気取られることはなかった……。
幹比古視点の『竜神の虜』、エイミィの『ショットガン! 』、雫と花音がペアでアイス・ピラーズ・ブレイクに挑む『一人でできるのに』、今まで隠密として目立たぬこと優先していた黒羽姉弟が「目立ちなさい」と命令される『目立とうミッション』、そして試合外で裏設定が明らかにされるレオとエリカの『薔薇の誘惑』という、連作短編形式で２年目の九校戦をしっかり語ったＳＳ編。
本編の方がお家騒動だったり十師族間の抗争だったり国家紛争やテロだったりと、血生臭くドロドロして広く深い話が続いていますが、今回はそうした本筋に関係なくてさくっと流された部分を外伝として掘り下げてますが、自分はこここそが読みたかったんですよ。
【魔法科高校の劣等生ＳＳ】【佐島勤】【石田可奈】【電撃文庫】
