「毎日ってのは積み重ねだからね。明日一日笑顔で過ごせたらいいんだ。それが１週間、１ヶ月って続いていけば、あっという間に１年だ」無理に頑張る必要もない、使えるものは使えと杉浦のおばあちゃん。
子供の頃ピアノがちょっと巧かったからと母親が本気になり、あげくに海外留学させられてからの挫折。交通事故で手を怪我して１ヶ月遅れで日本の中学校に編入ということで、不登校寸前の岬陽葵を救ったのは中学生からは敬遠されている学校近所のハデハデなおばあちゃん、小うるさい杉浦さん。けれど、そのアドバイスに勇気をもらってクラスに馴染めた陽葵が、報告するために会いに行こうと思ったらおばあちゃんの家が影も形もなかった。名物おばあちゃんの噂を教えてくれたクラスメイトたちも、そんな人は知らないと言い出した。
自分の記憶が夢か現か分からなくなった少女は、おばあちゃんが今度一緒に珈琲を飲みに連れて行ってくれると約束していた「タセット夕暮れ堂」という珈琲店を探そうと決意したのだが……。
珈琲を淹れる4分33秒の間だけ、過去へ飛ばしてやり直しをさせてくれる魔女がいるコーヒーショップを舞台に、家庭内で孤立しつつもそれを誰にも理解してもらえない女子中学生の物語です。
「後悔」という人の思いが時間遡行を呼び、それによって何かが再生され、やり直せることもあるという連作短編形式の物語。人生は「糸」で、いろんな糸が絡まっているものだから、良かれと糸を１本引っ張った結果、なにがおきるか誰にも分からないのだ。
【魔女のいる珈琲店と4分33秒のタイムトラベル】【太田紫織】【禅之助】【文春文庫】【優しくもちょっぴり苦い、感動のファンタジー】【タイム・ファンタジー】【時間遡行】【札幌】【ライラック】【モエレ沼公園】【ジョン・ケージ】【時守】
「俺たちは、かつては敵だった。しかし、今となってはそんなことは、どうでもいい」
ブラック企業で仕事に追われるアラサー男の趣味は、わずかな合間に投稿サイトに剣と魔法のファンタジーを書き込むこと。それが「神様」に気に入られ、そのまま小説そのままの世界に転生させられてしまう。
難敵である東伯を撃退したクレインだったが、そこに凶報が届いた。アースガルド家の後ろ盾となっていたアレス王子とその側近たちが暗殺されたというのだ……。
ルイーゼ・ジュノバン伯爵令嬢は物心ついた時から人の頭の上に透明な板が浮いているのが見え、そこにその人について情報が書かれているのが読み取れた。ごく稀に不思議な能力を持ち生まれてくる者がいて、そういう者は国に幸せをもたらすと大事にされるらしく、ルイーゼも第二王子のシルヴィール・ナイル様との婚約まで決まっている。
「友達とは一緒に牛角に行くものだよ」
魔王は退屈していた。
神託でいきなり魔王退治の勇者に選ばれたアルフレッドだが、もともと底辺貴族ラッセル家の嫡男で武芸なんかからっきし。いずれ小さな領地を切り盛りする人生と思っていたら、いきなり魔王との戦いの最前線へ。しかも聖女であるミリア姫を始めとしたパーティメンバー間の軋轢はひどく、みんなアルフレッドに優しくないのだ。
「一回だけだよ。だって、あたしは……カノジョじゃなくて、友達なんだからね？」
ある日突然、一陣の風が吹き、そして人々はすべてを忘れ去った。世界中の人々が言語や知識を含めたすべての記憶を一斉に喪失したことで、現代文明はあっさり崩壊。人間は野獣同然となり、廃墟と化した都市には対暴徒鎮圧用に作られたロボットが徘徊している。
「どの作品も原点を模索してきたけど、いつしか原点もへったくれもなくなっていく中、どこかでその重石を付けなきゃいけないんですよね」
『ここに書かれている通りにやれば、主人公キャラであれカスタムキャラであれ、誰でも簡単に強キャラを育成可能だ』
「こちとら平和ボケ日本人だぞ」
なんとか魔王との戦いをゲームでの展開よりは遥かに有利に進めているヴェルナーだが、王都襲撃イベントも控えているし、まったく油断ができない状況だ。
