日々好日

さて今日のニュースは

無縁社会の拡大

2010-02-01 10:32:48 | Weblog
先日NHKがスペシャル特集で取り上げた無縁死のドキュメント番組は、身につまされて
何か寒々しい気持ちになつた。

2008年身元不明不明の無縁死が1783自治体で、3200人も居て今後益々増加拡大
の様相にあると言うショッキングな報告がなされました。

身元不明者の死亡は毎日簡単な説明で行旅死亡者(こうりょしぼうしゃ)として官報に公報
されます。

性別。推定年齢。身長。特徴。所持品等々・・十行足らずの説明で終わりです。

自治体は身元調査を行い、不明の場合、行旅死亡者公報を行い無縁仏として処理されます。
昔は行き倒れ等が多かったが、ちゃんとした住居を構え一人暮らしの孤独死が多くなった 
と云う。

リストラや熟年離婚で家庭崩壊、独居生活を続け或る日突然死、誰にも判らず1ケ月も放置
されたままと云う事は今は珍しい事ではない。

これは都会の真ん中の話しでなく、いまや地方でも起こって居ると言う。

世の中が厳しくなり最早人様を構う余裕がなく誰でも自分の事で手一杯です。

折角見つかった縁故者は何十年も音信不通で関わりがなく、遺骨の引き取りも拒絶されて
ゴミとして処理されます。

またこの無縁死で残されたテレビとか調度品や遺品処理を専門に取り扱うビジネスが
この頃は繁盛し30社あまりがあると云う。

特殊清掃業者と言い自治体等の依頼で遺品整理を請け負う業務です。

引き取り手のない遺骨は宅配便でお寺に送付されると云う。
富山県のお寺で全国から送られて来る遺骨を供養する奇特なお寺で和尚さんが、この様な
無縁死に同情して行われて居るとの事でした。

また縁故者の希望で大学病院に献体され解剖で医療技術向上に貢献されるケースもある
との事です。
この場合は飽くまで縁故者の承諾書が必要で、献体されたら物として献体番号で保管管理
されます。

家族より会社優先した生活はリストラや定年退職すると社会との接点がぷっつり切
れてしまいます。

そこに熟年離婚とか家族崩壊や核家族の分散で一人暮らしをするお年寄りは随分居ます。
また生涯未婚の急増等もこの家族無しの無縁が増加する一因ともなって居ます。
20年後は男性は4人1人。女性は3人に1人が生涯未婚と推定され益々独居生活者が
増え無縁社会が拡大して行く恐れがある。

また頼れる家族等が居ない一人暮らしの人がNPOと生前契約を結び、墓地の手配をしたり
死後の後始末をして貰うと言うビジネスも出てきました。

今は孫子供に囲まれて一生を看取って貰うと云う幸運な人が少なくなって来て居ると言う。

定年退職後、財産を始末して有料老人ホームで生活し自分の一生を終わると云う事は贅沢と
さえ云える世の中です。

死んだら遺体はゴミとして処分される無縁社会の拡大は何としても止めたいものです。